高額買取してもらえる腕時計ブランドと言えば、ロレックスやパテックフィリップの名前が挙がるでしょう。
そう、この二社がずば抜けて需要を集めており、世界各国で投資だ資産価値だと言われていることは、周知の事実なのです。
では、それ以外のブランドはどうでしょうか。
高級時計メーカーの中には、類まれな技術力で以て、いつまでも価値の落ちない至高の銘品をラインナップしているところは上記二社以外にもまだまだあります。
そこでこの記事では、ロレックス・パテックフィリップ以外で買取価格が上昇中のブランドの、特に高額査定を引き出しやすいシリーズ・モデルをご紹介いたします!
※掲載している相場・買取価格・買取率は2019年3月時点のものとなります。
※時計自体に目立った傷や機械不良が無く、付属品完備にて当店でお買取りさせて頂いた例を参考に掲載しております。
※買取相場は常に変動しており、ご依頼時と差異が生じる場合もございます。
目次
買取相場が上がりやすい腕時計の特徴とは?
買取価格上昇中の腕時計ブランド・モデルをご紹介する前に、まずどういったものが高額買取になりやすいのか、をご紹介いたします。
お持ちの時計が、まだ相場を上げ切っていなかったとしても、以下の特徴に当てはまるものは今後価値が上昇する可能性が高くなります。
まず、第一の特徴として人気があること。
人気あっての需要であり、需要あっての相場です。
どれだけ有名ブランドが手掛けていようと、どれだけ高名なデザイナーがデザインを任されていようと、どれだけ超絶技法が駆使されたコンプリケーションを搭載していようとも、人気がなくてはお話になりません。
例えばロレックスは、昔から今に至るまで超人気ブランドですが、その長い歴史の中で人気が伸び悩んだモデルもありました。
その最もたる例はミルガウスでしょう。
1956年に、医師や科学者など「高い磁力」にさらされる職業人に向けて、1000ガウス(ミルガウス)の耐磁性能を持った時計として開発された経緯があります。
しかしながらコンセプトがわかりづらかったのか変わり種すぎたのかあまり普及せず、1987年に一時生産中止された、という過去を持ちます。当時の相場も、芳しいものではありませんでした(もっとも、今ほどのロレックス高騰はここ最近の話となります)。
※復活したロレックス ミルガウス
2007年にレギュラーとして復活しますが、デイトナやエクスプローラーといった定番ほとの人気は出ておらず、ロレックスの中ではまだ相場を上げ切っていません。
このように、いくら有名ブランドから出ていても、人気が出なくては相場を上げることはないのです。
とは言えミルガウスが現在のロレックス高騰に引っ張られる形でともに相場を上げている、という事実はあります。
そのため、人気ブランドのモデル自体が価格を上げやすい、という方程式は成り立っており、現在そこまで需要を集めていないモデルであっても、人気・有名ブランドのものであれば買取額が高くなる可能性は十分でしょう。
また、技術力自体が高く、品質に定評があるブランドのモデルも買取価格が上がりやすい傾向にあります。
なぜならこういったブランドが手掛けている時計は、耐久性に富んでおり、長持ちします。
長持ちするということは、中古であっても時計の価値が落ちないということを意味します。
修理不可能なほどのコンディションになってしまうと、よっぽどコレクター垂涎のレアモデルでもないかぎりは、時計として買取することは難しくなります。
そういった場合は、パーツや外装に使われたゴールドやダイヤモンドなど素材の価値のみの査定となることがほとんどです。
加えて、品質に自信のあるブランドはアフターサービスも万全。パテックフィリップやオーデマピゲ、IWCなど一部名門の中には「永久修理」を掲げ、生産終了から年月の経ったモデルでも修理を受け付けてくれるところがあります。
もちろん修理費用分は査定額から引かれますが、こういったブランドの製品は「時計」としての価値がいつまでも保たれるので、高額買取されやすい傾向にあります。
さらに言うと品質がいいので中古・アンティーク市場もしっかり確立されており、業者が買取後に販売ルートに流しやすいという、高額買取に大きなアドバンテージを有していることにも繋がります。
買取価格上昇中の腕時計①オメガ
それでは、ロレックスやパテックフィリップなど有名どころ以外の、買取価格上昇中の腕時計ブランド・モデルをご紹介いたします。
まずはロレックスと並んで国内有名時計メーカーの二大巨頭を成すオメガ。
初めて購入した腕時計がオメガだった、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
オメガも比較的、高額買取ブランドとして有名でしょう。
人気があること、そして高品質で長持ちしやすいという、前述の「高額買取されやすい特徴」をコンプリートしています。
しかしながらオメガは、実は製品によって査定額にバラつきがかなりあります。
この理由には、派生モデルの豊富さが一つに挙げられるでしょう。
そこで、高額買取対象のシリーズ・モデルと、2019年3月現在、当店で買取したモデルから算出した買取相場をご紹介いたします。
シーマスター
買取額が上昇しやすいのは、一般的には「定番モデル」で、奇抜な派生モデルなどは売れづらい傾向にあります。なぜなら物珍しさがあるデザインは一過性の人気で終わりやすいためです。
定番モデルで今買取額が高騰中なのは、定番の中でもさらにド定番と言えるシーマスター アクアテラ。
シーマスター アクアテラ クォーツ 231.10.39.60.06.001 / コーアクシャル マスタークロノメーター220.10.38.20.03.001
アクアテラはもともと、「最初のオメガ」といった立ち位置でした。
そういったエントリーモデルが高額買取対象になるのは、珍しいことです。しかしながらオメガ自体の人気、そしてアクアテラの「定番」であることの良さが需要集中に一役買っているのでしょう。
また、シーマスター300も、やはりオメガの中で一番人気&ド定番だけあって、買取相場は比較的高額です。
つい一年ほど前まで、新品並行品は30万円前後で売られていました。その頃買った方で、状態が良ければ購入金額に対する買取率は約60%~を実現できるのです。ロレックスとも遜色ない上昇を遂げていると言っていいでしょう。
212.30.41.20.01.003 / 212.30.41.20.03.001
さらに、2017年に初代シーマスター復刻としてリミテッドエディションで誕生し、翌年よりレギュラー入りした233.30.41.21.01.001は当店の販売部門では品薄にもかかわらず入荷待ちのお客様が多数いらっしゃる状態です。そのため、特に強化している一本で、高額価格をご提示させていただいております。
ステンレス製の、シンプル機能のスポーツウォッチとしては、非常に高値となります。
一方でこういった定番モデルの他に、定価を超える「プレミアモデル」が存在します。
映画『007 スペクター』(2015年公開)の記念モデルとして発表され、実際にジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグ氏が身に着けたシーマスター300 233.32.41.21.01.001です。
オメガは確かに高額買取されやすいブランドのうちの一つですが、ロレックスやパテックフィリップのように定価を大きく上回るプレミアモデルというのはあまりありません。
しかしながらこちらは一時100万円を超える販売価格で売り出され、今なおその人気を保ちます。
「定番モデル」ではありませんが、デザインがオーソドックスなこと。加えて映画内でダニエル・クレイグ氏がかっこよく着けこなしたことで、世界各国での需要が高まりました。
店舗にもよりますが、60万円~80万円超えと、オメガの買取としては異例の買取相場をたたき出しています。
スピードマスター
シーマスターと並んで定番であるスピードマスターも、非常に高い買取相場と言えます。
最も有名な311.30.42.30.01.005、および311.30.42.30.01.006は特にその傾向が目立ちます。
ここ1年の新品並行品の販売額が約37万円~であることを鑑みると、購入金額に対する還元率は現在の80%近くということになります。
311.30.42.30.01.005 / 311.30.42.30.01.006
購入時の金額の8割近くが戻ってくるなんて、やはり高級腕時計ならではですよね。
高級時計が投資対象になる現在の風潮もうなずけます。
なお、オメガは既に相場自体が上がっていますが、需要が集中しすぎて、販売店では常に品薄状態。入荷しても即完売のため、当店でも在庫確保に必死です。
このような現状のため、今後もオメガはまだまだ買取価格は上がり続けていくのではないでしょうか。
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買取価格上昇中の腕時計②IWC
IWCはスイスブランドでありながら、ドイツにほど近いシャフハウゼンに本社を構えており、どこかスイス式とは一線を画した質実剛健な一面があります。
それもあってか品質は一級品で、前述した「永久修理」を設けていることからも、中古市場がとても大きく、非常に売りやすいブランドの一つと言えるでしょう。
さらに、近年ますますの国内人気が高まっています。
IWCは木村拓哉さんや国分太一さん、小栗旬さんやレオナルド・ディカプリオさんといった、国内外で人気が高い有名人の愛用者が増えていることも、市場拡大に一役買っていますね。
さらにここ二年ほどかけて、IWCは価格改定を行い、国内定価を値上げしました。
ブランドが定価を上げれば買取価格もそれに伴い上がることが一般的です。
・人気の高まり
・定価上げ
IWCが買取相場を上げ、売り時の期は熟した。そう言える条件は出そろいましたね。
当店での買取実績をもとにした、IWCの高額買取対象シリーズ・モデルをご紹介いたします。
ポルトギーゼ
IWCの高額買取モデルと言えば、まずはポルトギーゼが挙げられます。
特にポルトギーゼ クロノグラフは現在のIWC人気に火を付けただけあって、誕生から今に至るまで超人気。永世定番と言っていいでしょう。
もちろん買取相場も高くなります。
IW371445 / IW371446
例えば最も有名なポルトギーゼは通称金針・青針のこの2モデルだと思います。
現在、当店キャンペーン価格で上記モデルは約46万円~47万円で買取しております。
平均的な新品並行品の販売価格が70万円前後であることを考えると、買取率は60~70%。オメガに匹敵する高さと言えます。
IWCは近年新作発表に意欲的ですが、ポルトギーゼで変わり種というのは多くはありません。
そのため、ポルトギーゼであれば安定して高値で買い取ってもらいやすい傾向にあります。
一方で2018年にブランド150周年を記念してラインナップされたトリビュートシリーズ。
そして生産終了し、さらに品薄に拍車がかかったパンダダイアルのIW371411は定価を超えるプレミア価格を記録しています。
IW371601 / IW371411
2019年はIWCからポルトギーゼの新作が出なかったこともあり、変わらず安定しそうな雰囲気です。
そのため、「使ってないポルトギーゼがある」「別の時計が欲しくなった」といった方は、良い売り時を迎えた、と言っていいのではないでしょうか。
パイロットウォッチ
ポルトギーゼと違って、様々な派生モデルを持つパイロットウォッチは、モデルによって買取相場にバラつきがあります。
また、もう一点ポルトギーゼと異なるところは、長い歴史の中でデザインやケースサイズにバリエーションが多数あるところ。
とは言え、どのモデルであっても、比較的高い買取相場を記録している印象です。
得にイギリス空軍で実際に使用されたマーク11に端を発するマークシリーズでは、歴代モデルが今なお高値で取引されています。
初代マークシリーズの誕生から25年が経過していますが、その間に価値が落ちていないって結構すごいですよね。
歴代マークシリーズは2019年3月現在では、大体20万円前後~30万円台で買取されています。
初代マーク12 IW324102(3241-002) / マーク17 IW326504
もちろん現行のマーク18も高い人気があります。
ただ、現行品でいうと、プティ・プランスやスピットファイアといった、スペシャルエディションでの需要集中が目立ちます。
IW327014 / IW377719
なお、マークシリーズを始め、パイロットウォッチは2018年より外装はそのままに、型番が変わって新モデルとして登場した製品がいくつかあります。
これは、ムーブメントをETA社製からセリタ社製の汎用機を使用したことによるマイナーチェンジです。
外装面は変わっていないことから今後、新旧で買取相場に大きな開きが出ることは現時点では考えづらいでしょう。
ポートフィノ
IWCのエントリーモデル的な立ち位置ですが、その上品さ、およびシンプルゆえに様々なシーンで使えるという汎用性の高さから、多くの業者が買取強化しているところを見かけます。
最も定番で、お持ちの方も多いであろうIW356501とIW356517。
初出は1984年ながら、デザインは踏襲されてきたという一大ロングセラーモデルでもあります。
こちらは2019年3月現在の買取相場が約23万円ほどと、決して派手さはありません。
しかしながらこちらのモデルのすごいところは、ここ数年で相場を大きく上げ下げしていないところ。
つまり、いつ売ってもある程度の還元率を見込める、ということになります。
一方で、クロノグラフが搭載されたものは、より高額になりやすいでしょう。
IW391007 / IW391022
IWCはこの三つのシリーズの他に、ダイバーズラインのアクアタイマー、ハイスペックなインジュニアなどを展開しています。
いずれも比較的安定傾向にありますので、景況感が高く円安傾向にある現在は良い売り時と言えるでしょう(一般的な輸入品と同様に、海外製品は円安で価格が上がるため、買取相場も連動して上がる可能性が高い)。
買取価格上昇中の腕時計③ウブロ
独創的なデザインに全く特性の異なる素材を融合させ、現代的なセンスを実現した高級腕時計ブランド「ウブロ」。
近年では芸能人やスポーツ選手など、各界の一流著名人の間で人気が出たこともあり、「成功者の時計」とも称されます。
ウブロは時計ブランドの中では新興に当たりますが、定価が高く、相場も高め。
また、腕時計愛好家のみならず、若い世代やウブロが参入しているスポーツが好きで、そのコラボモデルが欲しい、といったような層からの支持が厚いため、安定した需要を誇ります。
ウブロ製品は頑丈なケースが多く、新素材を採用していることから傷や衝撃に強いです。よって中古品であっても高い品質を保ちます。
このことから新興ブランドであるにもかかわらず一大中古市場を形成しており、高額買取対象ブランドに列席します。
ビッグバン
ウブロと言えばビッグバン。
2005年に「融合(フュージョン)」というコンセプトのもと、異なる素材を組み合わせることによってこれまでにないダイナミックかつ斬新な高級腕時計として、時計界に爆誕したシリーズです。
セラミックやチタン、カーボンファイバーなど、従来の高級時計には採用されてこなかった新世代素材、および独自開発素材を積極的に採用し、多数のバリエーションをラインナップしています。
そのため、ステンレスより高額なチタンや、最高級貴金属のゴールドを使ったモデルなども存在し、素材によって買取価格が上下しやすい傾向にあります。
しかしながらビッグバン自体がもともと大変な人気製品なため、どのモデルであっても比較的相場は高く、特にオーソドックスなモデルの積極買取を行う業者が後を絶ちません。
例えばかなりスタンダードなこちらの301.SX.130.RX。
オーソドックスなステンレススティール製のビッグバンですが、現在の販売価格は90万円台前半~と、結構いいお値段です。
買取相場もそれに伴い、数あるブランドの中でも高額査定となります。
また、同様のモデルにダイヤモンドがセッティングされた301.SX.130.RX.114はさらに高額買取対象となり、ダイヤモンドの素材分で買取価格は上がりますが、オールSSモデルの人気あっての高額買取となります。
301.PB.131.RX
ビッグバンと聞くと、こちらのモデルを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
K18レッドゴールドのケースとブラックセラミックのベゼルを組み合わせたゴージャスなモデルです。
K18とはゴールド素材の含有率(純度,品位)を指しますが、金が75%含まれている、ということになります。
これはロレックスやパテックフィリップ、オーデマピゲといった一流ブランドが採用する品位で、最も金を美しく見せる、と言われています。
ウブロもそれにならっているところに、高い品質へのこだわりを感じますね。
実はこちらのモデルは「定番」をちょっと外しているせいか、相場は安定しているわけではありません。
しかしながら「金」という貴金属を使用していること、加えてビッグバン人気が健在なことから販売ルートが確保しやすく、高値で買い取りされやすい一本となります。
411.NM.1170.RX
なお、多くの名門ブランド同様、ウブロも自社製造ムーブメントの開発を進めており、完全マニュファクチュールの「ウニコ」搭載モデルは定価が高いだけあって買取相場も高めです。
特にこちらのチタン製モデルは当店での販売部門でも、ナンバーワン人気。
買い取って販売ルーツに流すとすぐに売れるため、買取件数も販売件数も非常にさかんなモデルです。
ビッグバンはリミテッドエディションなど、特別モデルの数は他社と比べてもかなり多いですが、定番に外しがない、というメリットがあります。
クラックフュージョン
ウブロはビッグバンがフラグシップですが、エントリーモデルとして人気の高いクラシックフュージョンも高額買取されやすいシリーズとなります。
定価自体はリーズナブルですが、ビッグバンに比べて薄型&シンプルで、使い勝手の良さから幅広い年代層からの支持を集めていることが大きな理由でしょう。
チタン製ということもあり、軽量で傷や衝撃にも強いため、きちんとメンテナンスして使えば経年による使用感は少なくなります。
また、2016年新色となるレーシンググレー文字盤(511.NX.7071.LRなど)はシックでエレガントな色使いがあまりウブロらしくありませんが非常に人気が高く、相場を上げているウブロのうちの一つです。
買取価格上昇中の腕時計④パネライ
一時期、大きく買取相場を下げていたパネライ。
2015年~2016年にかけて急激な円高が続いていたことから、定価が全モデルで1割~1.5割下がったこと。
また、デカ厚ブームから一転。小さめの腕時計が市民権を取り戻しつつあったことなどが要因でした。
しかしながら、円安や高級時計市場の拡大が追い風となり、かつもともとのパネライ人気から、相場がV字回復。
むしろ、これまでのデカ厚をよりボリューミーにした47mmケースをラインナップしたり、逆に「ルミノールドゥエ」という、42mm×薄型の新シリーズを打ち出したりと、新しい試みが大受けしており、再び買取市場でのトップクラスの地位に返り咲きました。
パネライのシリーズはシンプルで、ルミノールかラジオミールになります。
ただ、ルミノールの中に様々なラインがあり、それによって買取相場は上下しています。
このようにラインによって上下がありますが、当店での強化買取対象となっているモデルをもとに、高額買取のものを掲載いたします。
ルミノール マリーナ
最も定番ルミノールが「マリーナ」です。
ルミノール特有のリューズガードに、9時位置のスモールセコンドが特徴的ですね。
基本的なデザインはシリーズ内で統一されていますが、文字盤カラーにいくつかのバリエーションが存在します。
ただ、買取上昇の黄金律の通り、定番の黒文字盤の方が比較的売りやすい傾向にあります。
また、かつてパネライで一世を風靡しつつも生産終了したリューズプロテクターモチーフのブレスデザインを、2017年に復活させたルミノール1950は高額買取において無視できない存在です。
「ハイエンドライン」として打ち出されただけあって、高級感もひとしお。
多くのモデルで品薄気味で、高い買取相場となるでしょう。
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ラジオミール
パネライというとルミノールの印象が強いかもしれませんが、最初のパネライウォッチとして誕生したのがラジオミールです。
1938年、イタリア海軍の、実際の任務下で使用するためのダイバーズウォッチとして誕生した経緯があり、それを民生用に復刻しました。
ラジオミールは、日付窓すら持たないシンプルなモデルが多くなります。
そのため非常にシンプルで、スーツにもカジュアルにもマッチするとあって売りやすいモデルのうちの一つです。
ただ、どれも似たような顔をしているため、あまりプレミアモデルといったものは多くありません。
とは言えかつてはラグジュアリーコレクションとして金無垢素材のモデルのみを輩出しており、そういったハイエンドモデルは高額買取の対象となります。
買取価格上昇中の腕時計⑤タグホイヤー
リーズナブルな価格帯が多いブランドは、高額買取の対象になりづらい、といった傾向にあります。
たとえ人気があっても、大量生産していることが多く、稀少性が低いこと。また、こういったメーカーの中には質を落として価格をとった、とも捉えられるような、高級時計と比べるとどうしても質の劣る製品を製造していることが多いためです。
その点、タグホイヤーはエントリークラスのブランドであるにもかかわらず、一線を画します。
優秀な生産ラインを確立したことにより、大量生産と高品質を両立。
しかも、上手に広告をうったりブランドアンバサダーを立てたりするなど、巧みなブランド戦略によって、高級時計ブランドとしての品格も崩しません。
こういった理由からタグホイヤーの買取価格は人気モデルを中心に、非常に高値を維持しており、しかも安定している、という特徴があります。
カレラ
タグホイヤーのフラグシップであり、一番人気のシリーズがカレラです。
スペイン語で「レース」や「情熱」を意味しており、ロードレース「カレラ パンアメリカーナ・メキシコ」とF1チャンピオン「ファン・アニュエル・ファンジオ」へのオマージュとして1964年に製作されました。
高額買取の代表格と言えば、タグホイヤー社製のムーブメント・ホイヤー01を搭載させたスケルトン文字盤の逸品です。
CAR2A1Z.FT6044
近年派生モデルが出たこともあってか、一つ一つは相場を下げているものも見られますが、おおむね買取相場は安定。
売りやすく、買いやすいモデルと言えるでしょう。
素材もただのステンレスではなく、ベゼルやプッシャーなどそこかしこにセラミック素材を採用することで、スタイリッシュな印象と軽やかさ、そして傷や衝撃に強い耐久性を手に入れました。使っても高品質を保っている、というのは、売る側にとっては嬉しいところですね。
なお、タグホイヤーのすごいところは、汎用ムーブメント搭載モデルであっても人気機種は高額な買取相場にある、ということ。
当店でも一番人気であり、同社の中でエントリーモデル的な立ち位置であるキャリバー5搭載機が、これにあたります。
WAR211A.BA0782 / WAR201E.BA0723
デイト、またはデイデイト表示と3針、青や黒などオーソドックスなカラーの文字盤のこちらの買取価格は~約10万円。
新品並行相場が約17万円~18万円ということを考えると、非常に高値と言えますね。
このように、リーズナブルでありながらも高い買取相場を誇っているのは、数ある高級時計ブランドの中でも非常に稀有。
タグホイヤーの時計製造技術の高さと、ブランドの人気に拠るものでしょう。
なお、トゥールビヨンを搭載したRef.CAR5A8Y.FC6377の買取価格はタグホイヤーとしては破格の約90万円超え。
しかしながらこれはトゥールビヨンという、普通であれば一千万円を超えるような超絶複雑機構を定価100万円台で売り出したという、やはり稀有なモデルです。
タグホイヤーの中でも、数ある名門ブランドの中でも、別格と言っていいでしょう。
モナコ
映画「栄光のル・マン」でスティーブマックイーンが着用していたファーストモデルを忠実に再現したクラシカルさがウリのモナコは、「定番外し」でありながら、一過性の人気に留まらず安定した買取相場を誇ります。
ただ、定番外しとは言っても、モナコの外装からはそこかしこにタグホイヤーらしいこだわりが感じられます。
マットな青文字盤や真横を向いたバーインデックスなど、ヴィンテージファンも納得の仕上がり。
かつ、ムーブメントには信頼の高い「Cal.11」を搭載。往年の名機を彷彿とさせる左リューズ仕様となっているところもファンにはたまりませんね。
もちろんモナコはロレックスやオメガのスピードマスターのように、派手に買取相場を上げているわけではありません。
しかしながら多くのモデルで新品並行相場が40万円前後のところ、当店における買取価格は約23万円~と、数ある高級時計の中では非常に高い買取率です。
ちなみにいくら高級メーカーであっても、売ったらはした金にしかならなかった、というモデルは数知れず。購入金額の2割でも戻ってくれば御の字、なんてことはザラにあります(もっとも、30万円で購入・使った品を売って6万円になるなんて、腕時計以外ではなかなか無い話ですが・・・)。
モナコは、変わり種デザインでありながら、人々に愛され続けてきた成功モデルと言うべき一本でしょう。
まとめ
ロレックスやパテックフィリップといった、高額買取が当たり前に言われているブランド以外で、高値で売りやすい腕時計をご紹介いたしました。
今回ご紹介したオメガ、IWC、ウブロ、パネライそしてタグホイヤー以外にも、市場で高い需要を集めているもの。そして品質に定評があるものは、現在、もしくは今後買取相場を上げていく可能性が高くなります。
もちろん相場は読めませんので、為替や国内景気なども一緒に考えなくてはなりませんが、良好な売り時を逃さないようにしたいですね。
この記事を監修してくれた時計博士
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代から腕時計好きで、大学卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売・仕入れの経験を経て2016年3月より本店 店長へ就任した。
得意なブランドはロレックス・パテックフィリップ・オーデマピゲだが、幅広い知識のもと、あらゆる商品情報や相場の造詣が深い。時計業界歴10年。