ファッション業界きっての知名度とステータスを持つルイヴィトン。もちろん人気もトップクラスなため、買取市場においても王者の座を誇ります。
「ルイヴィトンの製品であれば、壊れていても、汚れていても、買取額がゼロ円になることはない」などという話を聞いたことがありませんか?
これは、ほぼ事実です。
ルイヴィトン製品は欠陥があったとしても、「新品よりはるかに安くルイヴィトンを所有できる」とあって、購入する層が少なくありません。
そのため、査定額の多寡はもちろんありますが、ルイヴィトンの価値がゼロ円になるケースはほとんどないと言っていいでしょう。
また、ルイヴィトンを欲しいというお店は非常に多いため、どこでも比較的売りやすいというのも特徴ですね。
でも、これはバッグや財布など、主に皮革製品に当てはまることです。
腕時計シリーズ―タンブールやスピーディなど―だと、ちょっと様子が変わってきます。
では、ルイヴィトンの腕時計を売却するには、どのようにすればいいのでしょうか。高額買取のためには、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
この記事では、ルイヴィトンの腕時計が高額買取されるためのコツ5個ご紹介いたします。
目次
コツ①時計専門の買取店を利用しよう
「ルイヴィトン高額買取!」
「ルイヴィトンなら●●にお任せ!」
ルイヴィトンを売却しようと検索エンジンを使ってみると、このような文言にしばしば出会いますね。
あながち誇張と言うわけでもなく、ルイヴィトンの在庫確保に多くの買取店は躍起になっており、他ブランドの製品に比べて競争が激しい現状があります。
そのため冒頭でも述べたように、ルイヴィトンを所有している方にとってはとても売りやすい環境が整っていると言えるでしょう。
しかしながらタンブールやスピーディなど、ルイヴィトンの腕時計製品のご売却をお考えの方は、注意が必要です。
それは、上記のようなルイヴィトンの高額買取を行っているお店が、必ずしも時計分野に強いわけではない、ということ!
バッグなどと異なり腕時計は精密機器です。
そのため外装の状態のみならず、内部機構も点検し、必要であれば修理したり、メンテナンスを行ったりする必要があります。
また、ルイヴィトンは機械式時計も生産する、時計メーカーと遜色のない本格派なのですが、例えば現在動かないタンブールをお持ちの方でも、修理すれば使えるようになるケースは少なくありません。
こんな時、時計専門の買取店であれば、自社で提携している工房で修理することでメンテナンス費用を抑えられます。結果として当該コストを査定額から引く場合、最小限にすることが可能です(お店やモデルにもよりますが)。
一方で通常のブランド品専門の買取店だとメンテナンスノウハウが無く、正規メンテナンスや修理業者に外注することでメンテナンス費用が余分にかかってしまい、その分安めの査定額となってしまうケースが多く存在します。
あるいは外注するコネクションもなく、買取不可にしたり、ひどいところだと二束三文で買いたたいたりする業者も出てくるほど(ルイヴィトン製品であれば、壊れていても売れる場合が多いため)。
そのため、ルイヴィトンの中でも腕時計だけは、時計専門の買取店に査定に出すことを強くお勧めいたします。
なお、時計専門の買取店の中でも、ピンキリで良いお店・よろしくないお店が林立しています。
一つの店舗に絞るのではなく、複数店舗に売却したい時計を持ち込み、査定額を比較検討することもまた重要です。
そしてもう一点気をつけてほしいこと。
もし腕時計以外にもルイヴィトン製品のご売却をお考えの場合は、ブランド品に強い買取店にまとめて持ち込んだ方が高額買取になるケースがある、ということです。
と言うのも、査定は点数が多ければ多いほど高額になる傾向にあります。それがルイヴィトン製品であればなおさらです。どのお店もルイヴィトンの在庫は多ければ多いほど売れるためです。
逆に時計専門の買取店だと、時計以外のものは受け付けてもらえない可能性が高いです。
そのため、バッグや財布なども一緒に売りたい場合は、同時進行でブランド品専門の買取店に持ち込みましょう。
なんにせよ、複数店舗で査定を比較することがとても重要です。
コツ②オークションサイトの危険性を知ろう
現在、個人間で二次流通品を売買するサイトはとても充実していますね。
ヤフオク、メルカリなどなど・・・ご自身である程度の販売価格を決められるため、納得のいく金額で手放せるというのが嬉しいところです。一般の方々の間で競い合うため、あるいは専門の買取店よりも高額で売れることもあるでしょう。また、会員登録するだけで誰でも出品できる、という手軽さもこれだけ二次流通市場を拡大させる一因となりました。
しかしながらこういった個人間の取引でルイヴィトンのような高級品(しかも精密機器)を売買することは、ややリスキーであることを覚えておいてほしいと思います。
と言うのも、前述の通り、中古品の腕時計はメンテナンスが必要であったり、写真だけではわかりづらい傷や劣化があったりします。決して安くない買い物で、そのような瑕疵(かし)があった場合、購入者との間で思わぬトラブルが発生しかねません。
加えて、そもそも売れなくては元も子もありません。そのためずっと売れ残ってしまったり、場合によっては思った以上に安い価格で落札されてしまうこともあるでしょう。
そうなると、せっかくご自身で商品撮影やページ作成、梱包・発送を行ったのに、骨折り損になりかねません。
さらに言うとオークションサイトは販売手数料がかかることがほとんどです。
例えばタンブールが20万円で落札された場合。ここに10%の手数料がかかるとすると、手元に残るのは18万円・・・結果として、時計店で売却した際とそんなに変わらなかった、なんてこともあります。手数料は落札金額が大きくなればその分負担が増えるため、オークションサイトでは低価格帯の時計の方が売買しやすいと言えるでしょう。
このように、個人間のオークションサイトはメリットも多数存在しますが、ルイヴィトンのような高級品、しかも精密機器を売却する際には注意が必要です。
餅は餅屋と言うように、経験豊かな買取店に持ち込むことが最も安心であり、安全でしょう。
コツ③持っているメーカー付属品は全て査定に出そう
意外と見落としがちなのがメーカー付属品です。
保証書はもちろん、ボックスや取扱説明書にクロスなどなど・・・全てが大切な財産です。
時計そのものだけでなく、こういった購入時に付属してきた物品は全て査定に一緒に出すようにしてください。逆に欠損していると、査定のマイナスポイントになってしまいます。
また、ルイヴィトンはコピー品が多く出回っているため、保証書やメーカー修理明細書は真贋の見極めに非常に大切です。もちろん経験値の高い時計買取店であれば保証書がなくてもしっかり適正に評価をしますが、あるに越したことはないですね。
そして、修理明細書は「再販時にメンテナンスが必要かどうか」の指標にもなりますので、メーカーに正規修理に出したことがある方は、必ずお付けください。
なお、「付属品、かなり汚れている・壊れているけど、持ち込んでも大丈夫?」
こういったお問合せをいただくこともありますが、買取店によって評価が異なります。どんなコンディションであっても、査定に持ち込むことを強くお勧めいたします。
ちなみにルイヴィトンのショッパーも売れるということをご存知でしたか?
もちろん買取店にもよるのですが(時計専門の買取店だと難しいことも)、単体だけでも買い取る、という業者も存在します。
メーカーからもらった物は、できるだけキレイな状態で保管しておくようにしましょう。
コツ④査定前に正規メンテナンスに出す必要はないが、お手入れはしっかりと
出典:https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/repair
よくいただくもう一つのご質問として、「査定前にメーカーで修理をした方が高く売れる?」というものがあります。
確かにメーカー修理を経た個体は、プラス査定となるケースがほとんどです。再販時のメンテナンスが最小限で済むため、その分査定額にプラスを反映することができるのです。
しかしながら気をつけてほしいのが、「メンテナンス前後の査定価格の差がオーバーホール費用を上回ることは基本的にない」ということ。メーカー修理は高額なため、プラス査定分で取り返せることはあまりありません。
また、正規修理以外の業者にメンテナンスされた場合、以後純正品として扱われなくなる可能性があることを覚えておいてください。民間業者の腕はピンキリで、中には正規品としての価値を著しく損ねるような修理を施してしまうケースがあります。
前述の通り、時計専門の買取店であれば、メンテナンスノウハウがあるので、そのままの状態で査定に出すのが吉でしょう。
ただし、状態が良いほど高額査定である、ということは間違いなし。例えば状態の良い純正革ベルトが付いている、使用感が少ないなどと言った場合は、その分高値で買い取られます。
そのため現在使用中の方は、大切に扱う・保管に気をつける。また、査定前には時計に付いたホコリや汚れは、クロス等で拭いておくなどお手入れをしっかり行うことがお勧めです。その際、ゴシゴシこすったり、水気につけたりといったことはお控えください。
なお、「ルイヴィトン製品は壊れていても汚れていてもゼロ円にはほとんどならない」と冒頭で述べましたが、腕時計に限っては再販が難しいと買取を断られる場合もあります。時計専門の買取店であればなおさらです。
とは言えルイヴィトンは時計製造のスタートが2002年~と比較的最近ですので、手遅れなほど劣化した、というケースはそう多くはありません。また、買取店の中には、「動かなくてもOK」としているところもあります。
いずれにせよ、査定に出してみることが大切です。
コツ⑤高く売れるタイミングを見極めよう
ルイヴィトンの腕時計の買取価格はピンキリです。
派生モデルが多いため、「このモデルがいくら」というよりも、時計の状態や付属品の有無に左右されることが多いためです。とは言え人気商品であること。加えて定価自体が決して低くないことから、モデルによっては数十万円で買い取られる個体もあります。
この買取価格を、時計そのもの以外で左右する要因があります。それは「相場」です。
ルイヴィトンのみならず、腕時計の売買は相場抜きにして語れません。
例えばボーナス前や入学・就職シーズンは高級時計の需要が高まり、比例して相場が上がります。また、ブランドが値上げを行った時も、当該ブランドの製品全体の相場が上がる傾向にあります。
その他にも海外製品であれば円安の時に相場が上がる・・・そんな相場動向を描いているのです。
販売相場が上がれば、買取相場も当然ながら上昇します。
そのため、相場が上がっている時に売るほどお得、ということになりますね。
ちなみに現在、高級時計市場全体が盛り上がっており、需要がかつてないほど高まっています。その関係で大きな売り時を迎えている、と考えていいでしょう。
とは言え、この相場がこれからさらに上がるのか、それとも下がるのか。予測は誰にもできません。
そのため「今売った方がいい?待った方がいい?」というご質問にはなかなか回答しかねる面があります。
しかしながら一つ言えるのは、高級時計は精密機器である、ということ。そのため経年があればあるほど価値は下がっていきます。
中には放置しすぎて内部で油が固着してしまったり、クォーツの電池が液漏れしてしまい、再販が難しくなってしまう個体もまま見られます。
相場に関係なく、今使っておらず箪笥の肥やしになっている方は、なるべくお早めにご売却されることをお勧めいたします。
まとめ
ルイヴィトンの腕時計が、高額買取されるためにはどのようなコツを抑えればいいか?5つのポイントをご紹介いたしました。
まずは時計専門の買取店を中心に査定に出すこと。その際は一店舗に絞らず、複数店舗に持ち込み、査定額を比較すること。また、付属品は揃えること、精密機器ですので、使っていないのであればなるべくお早めに売却することなどがコツとなります。
大人気のルイヴィトン。欲しいお店は少なくありません。そのため少しでもお得に売れるよう、コツを抑えた売却を実践しましょう!
この記事を監修してくれた時計博士
新美 貴之(にいみ たかゆき)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 店舗営業部 部長
1975年生まれ・愛知県出身。大学卒業後、ロレックス専門店に入社。販売・仕入れに長年従事した。
その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験を経て、2017年にGINZA RASINに入社。
店舗運営や商品管理・メンテナンスを統括し、社員教育にも力を入れている。時計業界歴24年。