東京 銀座で高級時計専門の販売・買取を担う当店GINZA RASIN。
おかげ様で2021年、設立15周年を迎えることとなりました。2017年より買取専門サロンを立ち上げ、店頭・インターネットともに時計の高額買取に力を入れております。
この15年間で、特に急速な拡大を感じるのが二次流通市場(リユース市場)です。市場の拡大とともに、業者間オークションでなくとも、驚くような価格帯の時計が取引されるようになりました。
当店でも1000万円を超える買取額で成約に至った時計もちらほら・・・!
そこで本項ではGINZA RASINが、15年間で一般のお客様から最も高額で買取した時計BEST10を、ランキング形式で発表致します!
※掲載する情報・買取価格は2021年5月現在のものとなります。
高額買取した時計ランキングBEST10
それでは当店GINZA RASINでお買取りした時計のうち、最も査定額が高かったモデル10本をご紹介いたします!
各ランキングには買取額の他、素材や付属品の有無,なぜ高額買取に至ったかも掲載しております。なお、業者ではなく一般のお客様からお買取りさせて頂いたお品を対象としております。
もしかしたら、ご所有されている時計が出てくるかも・・・!?
ぜひチェックしてみましょう!
第10位 ブレゲ マリーン クロノグラフ 5829BB/8S/9ZU.DD0D
出典:https://www.breguet.com/jp/timepiece-variant/marine-5829bb8s9zu
詳細
買取日:2016年4月
付属品:箱のみ
保証書日付:不明
買取価格:1,050万円
参考定価:35,497,000円
まず最初にご紹介するのは、「時計の歴史を200年早めた」と称される天才時計師・ブレゲの系譜を引く同名ブランドの「マリーン」より。買取価格は1,050万円でした!
ホワイトゴールドケースのサイド面に加えてベゼル,ラグにふんだんにセッティングされたバゲットカットのダイヤモンドは実に158個!
さらにシェル文字盤上にも扇形にサファイアがあしらわれており、1000万円さもありなんと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、こういった貴金属や貴石が輝く個体が、必ずしも1000万円超えの買取価格となるかと言うとそうではありません。金,ダイヤモンドの素材の価値だけが査定対象となるケースも、往々にしてあります。
しかしながらブレゲ マリーンのような人気モデルであれば時計として一般ユーザーに再販することができるため、時計に強い買取店は「再販時の価格」を考慮した査定額を提示することができるのです。
このマリーンについて補足しておくと、1990年からブレゲがラインナップしている一大コレクションです。
長い歴史の中でいくつかの系譜が存在しますが、今回1050万円の査定が出たのは生産終了した今なお人気を誇る先代クロノグラフ。
ハイジュエラーにも引けを取らない上質な貴石の美しさもさることながら、シースルーバックから覗く装飾性高いムーブメントやクロノグラフを搭載しながらも端正なレイアウトを保ったダイアルデザイン等、時計本来の価値の高さが光る逸品であり、コレクターや愛好家の所有欲を満たします。
こういった「人気」すなわち「需要」に支えられることにより、リユース市場での売買が活発に。結果として売却時に損をしづらいリセールバリューへと繋がっていくのです。
とりわけブレゲは当店でも売れ筋であるため、ダイヤモンドモデルに限らず、当店では高額査定を意識しています。
第9位 リシャールミル バッバワトソン RM055
詳細
買取日:2018年4月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2015年7月
買取価格:1,065万円
参考定価:1296万円
第9位は、2001年に誕生して以来、革新的な素材・機構使いと独創的なコンセプト,そして億超えも当たり前のプライスレンジで業界に一石を投じ続けてきたリシャールミルです!鮮烈なホワイトカラーのケースに、まるでムーブメントが浮いているようなダイアルデザインがまず目に飛び込んできますね。
リシャールミルは各界で活躍する人物・企業とコラボレーションし、その業界で求められる性能を有したエクストリームウォッチを製造することを得意とします。
テニスのラファエル・ナダル選手や『ランボ―』『ロッキー』を演ずる俳優シルベスター・スタローン氏,F1チームのマクラーレン・・・輩出してきた名作コラボの数々は、枚挙にいとまがありません。
今回1,065万円でお買取りさせて頂いたこちらは、アメリカのプロゴルファー「バッバ・ワトソン氏」の着用を想定した一本です。
リシャールミルはブランド誕生時、処女作「投げても壊れないトゥールビヨン」で一世を風靡しました。このRM055もまた、きわめて高い耐久性と、複雑機構を搭載した高級時計とは思えないような軽量さを実現します。
この性能の秘訣は、リシャールミルの革新的な素材と機構にあります。
ケースのホワイトは強靭なチタンをホワイトラバーコーティングしたもの。また、極限まで肉抜きしてスケスケにしたムーブメントパーツもまた、チタンが用いられることで軽量化に一役買っています。ちなみにチタンパーツはタイタリット処理なる酸化処理によって、さらなる硬度・耐摩耗性・耐傷性を獲得しているとか!日常使いで傷がつきやすいベゼルはATZ(イットリウムで安定させたジルコニアとアルミナによる新素材)により、ダイヤモンドに次ぐ硬度となっていることも特筆すべき点です。
よく「なぜリシャールミルの時計は高いのか」という問いがありますが、こういった最先端技術と、コンセプトを実現するための徹底したこだわりを鑑みると、価格の中身が見えてくることでしょう。
もちろん、リシャールミルは「高くても買いたい」というニーズがあるがゆえのプライスレンジでもありますね。
事実、こちらのバッバ・ワトソンモデルは過去幾度か個人のお客様からお買取りさせて頂いておりますが、いずれも700万円~1000万円で成約に至っております。
ちなみに、付属ボックスはワインディングマシーンが搭載されており、これだけで数十万円~数百万円の売買が行われることも!
付属品完品は、時計を高額で売却するうえで欠かせないポイントです。ことリシャールミルに関しては超重要次項であることを、覚えておきたいものですね!
同率7位 ブレゲ マリーン クロノグラフ 5829BR/8R/9ZU/DD0D
詳細
買取日:2016年6月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2012年6月
買取価格:1,100万円
参考定価:35,497,000円
後述する一本と同率で7位となったのは、第10位に同じくブレゲ マリーンのローズゴールドモデルです!
当モデルでは文字盤に扇形にルビーがセッティングされており、華やかな雰囲気ですね(もっともルビーとサファイアは同じコランダムとはなりますが、大きく印象が異なります)。ホワイトゴールドモデルと定価やスペックは同一ですが、こちらの方が50万円高くお買取りさせて頂いた形となります。
なお、「同じ定価なのに買取価格に差がつく」というのは、中古市場ではよくあること。
それは需要であったり、その時の為替であったり、時計のコンディションや付属品の有無であったり・・・
また、時計が持ち込まれた際の買取店の在庫状況や、その買取店が該当モデルのブランドに強いかどうかによっても査定額が変わってきます。
こういった観点から、時計売却時には複数の買取店で査定に出し、比較検討することが大切、と言われます。
話がそれました。こちらの美しきマリーンは状態が大変良く、また付属品も完品でした。当モデルのボックスは鍵付きで、非常に高級感溢れる仕様のため、大きくプラス査定となったことは言うまでもありません。
そして前述の通り、ブレゲ マリーンが当店で売れ筋であったため、取扱いブレゲの中でもきわめて高いお買取りをさせて頂いた次第です。
なお、ブレゲにあまり強くなかったり、時計専門ではないとダイヤモンドやゴールドといった素材の金額だけでの査定となるケースもあります。
そのため、当店だからこそできた査定額であったと自負しております。
同率7位 オーデマピゲ ロイヤルオーク コンセプト GMT トゥールビヨン 26580IO.OO.D010CA.01
詳細
買取日:2019年9月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2016年2月
買取価格:1,100万円
参考定価:24,408,000円
ブレゲ マリーンと同率で7位となったモデルは、オーデマピゲ ロイヤルオークのコンセプトウォッチです!
パテックフィリップ,オーデマピゲと並んで世界三大時計ブランドの一角を成すオーデマピゲは、当店高額買取モデルの常連です。
とりわけ1972年、ジェラルド・ジェンタ氏によってデザインが生み出されたラグジュアリー・スポーツウォッチ「ロイヤルオーク」は、定番のステンレススティール製3針モデルが200万円台~650万円という買取額を提示させて頂いております。
近年、急速に拡大を続けるラグジュアリー・スポーツウォッチ市場を牽引する存在で、多くの買取店がロイヤルオークの在庫確保のために東奔西走していると言って過言ではないでしょう。
※ラグジュアリー・スポーツウォッチ…「ラグスポ」などと略されて親しまれる時計ジャンル。明確な定義があるわけではないが、ラグジュアリーブランドが輩出するスポーツウォッチの中でも、ケースとシームレスになったメタルブレスレットを搭載した薄型で上品なデザインを指すことが多い。ロイヤルオークはラグスポのパイオニアと言われており、オクタゴン(八角形)ベゼルとエッジの効いたフォルムが一つのアイコンとなっている。
そんなロイヤルオークの中でも異色の存在が「コンセプト」です。
2002年からスタートしたオーデマピゲのコレクションで、レギュラーモデルとは大きく異なる革新機構とデザインを取り入れた、まさにコンセプトウォッチとなります。
こちらのモデルも、眩しいホワイトセラミックを大胆にあしらったカラーリング,3方向にファセットカットされたチタンケースが、きわめて独創的に仕上がりました。
さらに搭載する手巻きムーブメントCal.2930にも、きっと驚かされることでしょう。
GMT・トゥールビヨンと二つのコンプリケーションを搭載しつつ、さらに二つの香箱を巧みにセッティングすることで、約237時間(10日間!)のロングパワーリザーブを実現しました。
トゥールビヨンのキャリッジは一般的な6時位置ではなく、裏蓋側へ。代わりに6時位置にはファンクションセレクターを搭載し、リューズポジションの操作制御選択を視覚的に行えるよう配慮しました。
「高級時計」「高額買取」と聞くと、前述したブレゲのような、ダイヤモンドをふんだんい使ったジュエリーウォッチが思い浮かぶかもしれません。確かにハイメゾンが用いる上質なジュエリーをあしらった時計は、納得の価値があるものです。
しかしながら、実は時計で素材以上に価格を上げる要素が、機構です。
トゥールビヨンにパーペチュアルカレンダー,ミニッツリピーターといった世界三大複雑機構を始め、スプリットセコンドクロノグラフやレトログラード…
時計という手のひらサイズの限られたスペースで、複雑機構を搭載する。非常に高度な時計製造技術と熟練した職人技が必要となります。時間も製造コストもかかるため大量生産とは無縁。それゆえ定価も実勢相場も、どうしても高価格帯になるのです。
なお、こういった複雑機構を複数搭載することも驚きに値しますが、これまでにない前衛的な形で表現しているオーデマピゲは、さすがと言うべきですね。
ちなみに、販売価格においても15年間の当店の歴史の中で、第5位とる高額モデルでもありました。にもかかわらず目を見張るのが、お買取から販売までわずか10日ほどであったこと!この回転の速さは、オメガやタグホイヤーの定番商品を凌ぐ勢いです。
圧倒的ステータスと歴史を誇る、オーデマピゲ渾身の複雑時計。その威厳を背景とした圧倒的需要のほどを、垣間見た思いです。
第6位 パテックフィリップ ノーチラス プチコンプリケーション 5724R-001
詳細
買取日:2019年12月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2016年10月
買取価格:1,200万円
参考定価:23,078,000円
第6位としてご紹介するのは、やはり世界三大時計ブランドに名を連ねるパテックフィリップから。この中でも頭一つ抜きんでており、世界最高峰の呼び声高いブランドでもありますね。
当モデルも、15年間の当店の歴史の中で、第4位の高額販売を記録した一本です。にもかかわらず、お買取りからわずか20日で販売に至りました。
もっとも、こちらはもともと入荷リクエストを頂いていたこともありますが、それでもこの価格帯では異例のスピードでの成約と言えます。
では、いったいRef.5724R-001とは、どのようなモデルなのか。
ベゼル,インデックス,エンドピースにセッティングされた極上のダイヤモンド(32個!)もまた美しさに心奪われますが、ノーチラスという点でも高額買取の大きな要素となりました。
前項で「ラグジュアリー・スポーツウォッチ」について言及しましたが、パテックフィリップのノーチラスもまた、この市場に欠かせない存在です。むしろ、当該市場の拡大の、立役者的です。
パテックフィリップ ノーチラスの誕生は1976年。ロイヤルオーク誕生の4年後となりますが、同じくジェラルド・ジェンタ氏によってデザインされることとなりました。ちなみにロイヤルオークは同名の戦艦をモチーフにしていますが、ノーチラスは潜水艦です。そのため「タキシードにもウェットスーツにも完璧にマッチする」というコンセプトがあり、ハイメゾンが手掛けるにふさわしい高級感や風格に加えて、男性陣の心を奪うハンサムな顔立ちをも備えます。
そして誕生から半世紀が経つ現在、ノーチラスは、他の追随を許さない高額買取対象品です。
※パテックフィリップ ノーチラスの中の一つRef.5711/1A。長らく定番モデルであったが近年では急激な需要の高まりにより、並行市場でもなかなかその姿を見かけない
とりわけ3針の5711/1Aは、現在当店で白文字盤750万円、青文字盤に至っては800万円の定額買取を提示しております。
「高くても欲しい」というマインドはユーザー・業者問わず健在で、この需要によって高まったリセールバリューが、さらにノーチラスの話題性を喚起する・・・そんなスパイラルを描いてきました。
そんなノーチラスの中でも、プチコンプリケーションが搭載された通称プチコンは、どこか特別な存在です。
3針のCal.240にムーンフェイズ、パワーリザーブインジケーター、ポインターデイトといった付加機能を持たせた高名なCal.240 PS IRM C LUは非常に評価が高く、美しい装飾がシースルーバックから確認できるのもまたこのモデルの魅力を押し上げますね。
マイクロローターによってケース厚を9mmに抑えているところも、世界最高峰のパテックフィリップゆえの業です。
Ref.5724R-001は2008年~2020年まで生産されていましたが、稀少性高いモデルゆえに市場でなかなか見かけません。
製造終了によって今後も稀少性は高まっていくことが予想されており、買取価格もこれに比例して上がっていくことでしょう。
第5位 パテックフィリップ ノーチラス クロノグラフ 40周年記念 5976/1G-001
詳細
買取日:2017年8月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2017年7月
買取価格:1,320万円
参考定価:11,350,800円
第5位は、同じくノーチラスから。しかしながら同シリーズの中でも、稀少性は随一と言っていいかもしれない一本です。なぜならこのRef.5976/1G-001は、2016年、パテックフィリップよりノーチラス誕生40周年を記念してわずか1300本限定販売された伝説的なモデルであるためです。
文字盤上に「1976-40-2016」とエンボス加工された装飾が、目を惹きますね。
出典:https://www.ablogtowatch.com/patek-philippe-nautilus-40th-anniversary-59761g/
ちなみに2006年にも、ノーチラス30周年としてRef.5800/1Aがリリースされました。
5800/1Aは当モデルよりシースルーバックが採用された、節目のモデルでもあります。加えて翌2006年に5711/1Aへとモデルチェンジしたことで、その稀少性はいや増しました。
しかしながら「The 限定品」という様相の強い5976/1G-001。エンボス加工もさることながら、ホワイトゴールド製ケース・ブレスレットとインデックスのバゲットカットダイヤが、非常にラグジュアリーに仕上がります。
ムーブメントはノーチラス クロノグラフモデルでおなじみのCal.28-520Cが搭載されており、120m防水とスペック自体はレギュラーモデル同様に優れています。
こういった時計そのものの特別感に加えて、メーカー付属のボックスも特筆すべきひねりです。
↑1976年のオリジナルBOX(画像出典:https://www.ablogtowatch.com/patek-philippe-nautilus-40th-anniversary-59761g/)
と言うのも、1976年、初代ノーチラス(当時、まだケースサイズ38mmが珍しかったことからジャンボの愛称で親しまれたRef.3700-1A)に付属していた、天然コルク材製特別ボックスを忠実に復刻しています。
こういったノーチラスの中でもスペシャリティ溢れる数々の仕様から、1320万円の高額買取、さもありなん。
第4位 パテックフィリップノーチラス 40周年記念 5711/1P-001
出典:https://www.patek.com/en/company/news/patek-philippe-nautilus-40th-anniversary
詳細
買取日:2020年10月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2016年12月
買取価格:1,400万円
参考定価:-
第4位は、同じくノーチラス40周年記念に発売された、5711/1P-001です!こちらは、700本限定生産でした。
文字盤上の「1976-40-2016」のエンボス,インデックスのバゲットカットダイヤモンド,そしてパテックフィリップのプラチナモデルではお馴染みとなった、ベゼル6時位置のさりげないダイヤモンドがやはり特別感満載の一本となっています。
※上記モデルはカラトラバですが、プラチナ製のため隠しダイヤが入っています
ちなみに、プチコンの方が1,320万円でお買取りしたことに対し、こちらはそれを上回る1,400万円でした。
「なぜ?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり時計の実勢相場は需要や稀少性で左右されるもの。こちらは700本というきわめて少ない生産数、そしてパテックフィリップの中では稀少モデルにのみ採用されるプラチナ素材であることが、一つの理由となります。
出典:https://www.patek.com/en/company/news/patek-philippe-nautilus-40th-anniversary
なお、現在の貴金属市場ではゴールドが圧倒的高騰を果たしていますが、時計の中ではプラチナがホワイトゴールドやピンクゴールドを抑えて高値要素となります。ホワイトゴールドとはまた違った美しく白い光沢を放つプラチナは白金などと呼ばれることもあります。
パテックフィリップでも、プラチナモデルにだけ隠しダイヤモンドをセッティングしていることからも、その価値の高さが伺い知れますね。
Ref.5711/1P-001は発売から5年が経過し、ノーチラスの品薄に拍車がかかるにつれて、市場ではとんと見かけなくなりました。
前項のRef.5976/1G-001同様、もはやオークション級の稀少性と価格を誇るものの、いずれまた当店に入荷して、実機をまじまじと拝みたい一本です!
第3位 リシャールミル RM11-02 TI
詳細
買取日:2018年8月
付属品:箱なし・保証書あり
保証書日付:2017年7月
買取価格:1,480万円
参考定価:20,088,000円
いよいよ第3位の発表です!
第3位は、リシャールミルのエクストリームウォッチの一つ、チタン製RM11-02です!第3位ともなると、買取金額が1500万円の大台目前となってきますね。1480万円の査定額でご成約となりました。
前述の通り、リシャールミルは異例のプライスレンジもさることながら、革新的な発想や機構と卓越したデザイン性で名を馳せているブランドです。そしてこのRM11-02は、同社ロングセラーのRM-011の後継機となります。
RM-011は2007年、F1ドライバーのフェリペ・マッサ氏との共同開発のもと、リリースされました。F1で用いられるレーシングカーのような耐久性や軽量感を持つコンセプトから、RM-011の誕生を皮切りにリシャールミルは「腕時計業界のF1」としばしば称されることとなりました。
また、ダイナミックなトノーシェイプケース,ベルトと一体型したラグ,機械を見通せるシースルー文字盤もまたRM-011をアイコニックに位置付ける要素です。
この名機RM-011の系譜を引くRM11-02は、最新鋭ムーブメントCal.RMAC2を搭載しました。
Cal.RMAC2はフライバッククロノグラフの他、9時側ケースサイドのプッシュボタンで容易に操作可能なGMT機能、アニュアルカレンダーなど多くの複雑機構を抱えています。
もちろんただ複雑機構を搭載させるわけではないのがリシャールミル。独自機構の一つ「可変慣性モーメントローター」の搭載は、特筆すべき点でしょう。
※可変慣性モーメントローター・・・ユーザーのライフスタ入りに合わせて変則的にゼンマイの巻き上げを行える機構。動きの少ないユーザーには巻き上げ速度を高め、運動量の多いユーザーには巻き上げ速度を低減させることで高効率な巻き上げを行う
エクストリームウォッチとして完成された一本であり、その価値に見合った価格で売買されていると言えます。
ちなみに、1,480万円の買取査定額を出した一つの要因として、「メーカー修理明細が付属していた」ということもあります。
修理明細はメーカーの正規メンテナンスを受けた証明書です。すなわち、オーバーホールを行った上質な個体であることの証明です。
オーバーホールを行った個体は、そうでない個体に比べて買取価格が高くなります。なぜなら再販する際に自社やメーカーでのメンテナンス費用が抑えられるため、その分を買取査定額に上乗せすることができるのです。
もっとも、一般的には「買取価格を上げるためにオーバーホールに出しておく」というのはお勧めできません。なぜならオーバーホール費用よりも上乗せされる査定額が高くなることはほとんどなく、足が出てしまうためです。
しかしながらリシャールミルやパテックフィリップのように、正規メンテナンス費用が非常に高額な個体となると、上乗せ分はそれだけ加算されるもの。そのため1,480万円という査定額に大きく寄与することとなりました。
第2位 オーデマピゲ ロイヤルオーク トゥールビヨン クロノグラフ オープンワーク 26347PT.OO.D315CR.01
詳細
買取日:2017年9月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2017年2月
買取価格:1,550万円
参考定価:時価
いよいよ第2位は、1550万円でお買取りしたオーデマピゲ ロイヤルオーク トゥールビヨン クロノグラフ オープンワーク 26347PT.OO.D315CR.01!一目で只者ではないとわかるこちらの一本です!
ちなみにメーカーでは「時価」。さらに店舗で販売することとなりましたが、当店の15年間の歴史の中で最も高額な1,944万円の値付けが付けられました。
この特別なロイヤルオークは、2016年に誕生しました。
トゥールビヨン、クロノグラフ、 時、 分表示、 スモールセコンドを備えた複雑機構「手巻きCal.2936」の搭載機であり、かつ文字盤・裏蓋ともにシースルー化することで精密・精緻な世界が美しきデザインコードになっていますね。
近年、機械を文字盤や裏蓋側から見せるというのは時計業界の一つのトレンドでもありますが、やはりオーデマピゲが手掛けた至極のムーブメントは、目の当たりにすると凄みのようなものを感じます。
ロイヤルオークが基盤となったプラチナ製ケースもオーデマピゲらしく丁寧に仕上げが施されており、至極のCal.2936を抱えるに他は考えられないと言っていいほど見事な外装です。
このモデルが2016年のリリース以来、何本製造されたのかは定かではありません。
しかしながら超稀少であることは間違いなく、また前述の通りメーカーでは時価(price on request)と公示。これは流通量が少なく稀少性のある個体に対し行われる措置です。価格設定せず、需要側の希望する価格と供給する側の価格が一致したときに授受が成立する、というスタイル。稀少価値の有る個体の価格高騰を防ぐために行われていますが、ラグジュアリーの頂点のような当モデル、一時期は3,000万円を超える売買が行われたこともありました。
当店でも、入荷はこの一度きり。そのためご売却して頂いたことは僥倖(ぎょうこう)であり、査定も非常に細心の注意を払って行いました。
第1位 リシャールミル ラファエル・ナダル RM035-02
詳細
買取日:2018年7月
付属品:箱・保証書あり
保証書日付:2018年7月
買取価格:1,600万円
参考定価:16,956,000円
GINZA RASINが過去15年間で、一般のお客様からお買取りさせて頂いた最高額モデル、第1位はリシャールミル RM035-02です!1,600万円でのお買取りでした!
ちなみにこちらは1,730万円で販売したのですが、入荷して一週間も経たないうちに売れていきました。1000万円レンジの個体としては、当店で最速であったと記憶しています。
リシャールミル特有のトノーシェイプが卓越するRM035は、かの有名なラファエル・ナダル選手に敬意を表したモデルです。
ラファエル・ナダル選手はスペイン出身のテニスプレイヤーで、グランドスラムや全仏オープンといった数々の大型大会で最多優勝・最多連勝記録を有することで知られています。
リシャールミルではエクストリームウォッチの一環として、ラファエル・ナダル選手のためのモデルをいくつか発表しており、同社歴代製品の中でも特に人気・話題性ともに高くなっています。とりわけ2012年、ラファエル・ナダル選手のために開発された「テニスプレイ中に着けても壊れないトゥールビヨン RM027」に驚かされた諸氏は多いでしょう。
※RM027(画像出典:https://www.richardmille.com/ja)
何度か言及しているように、機械式時計―それも複雑精緻なコンプリケーション―に衝撃はご法度。しかしながらテニスではラケットでボールを打った際、きわめて重い負荷が手首にかかることとなります。それゆえテニスひじやTFCCといった、上腕や手首に故障を生じさせるテニスプレイヤーは少なくありません。
そんなテニスプレイにおいても「壊れないトゥールビヨン」を作成したリシャールミル。前述のように宇宙・航空産業で用いられる特殊合金や新素材をムーブメントに活用することで、見事実現してみせました。事実、ラファエル・ナダル選手はRM027を「第二の肌」と称し、プレイ中も着用していたとか。
高額買取ランキング第1位としてご紹介するRM035-02は、トゥールビヨンモデルではなく、2017年に発表された3針モデルです。それゆえトゥールビヨン搭載機と比べると定価設定は低くなりましたが(トゥールビヨン搭載RM027の参考定価は4935円)、そこはリシャールミル。当店屈指の買取金額となった次第です。
なお、もちろん当モデルも往年のRM027「テニスプレイ中」の使用を想定しており、5000Gの加速にも耐えうる頑丈さとのこと!
カーボンTPT製ケースこそが時計の堅牢性と軽量さに寄与しましたが、さらに独創的なデザインコードをも作り上げることとなりました。
リシャールミル独自のカーボンTPTは、カーボンファイバーやシリカファイバーから生成された繊維層を特殊機械で少しずつずらしながら多層構造としています。それゆえ木目のような風合いを醸し出すことができ、カーボンTPT素材そのもののデザインに惹かれるファンの声をしばしば耳にします。
さらに前述した可変慣性モーメントローターが搭載されており、リシャールミルの技術力を余すことなくご堪能頂けるでしょう。
15年の歴史の中で第1位の買取金額にふさわしい「エクストリームウォッチ」となっております。
まとめ
おかげさまで当店GINZA RASINは、東京 銀座の地で創業15周年を迎えることができました。これもひとえに、日頃から当店をご愛顧頂いているお客様のおかげです。誠にありがとうございます。
本稿では当店の歴史15年間での高額買取ランキングを発表致しましたが、お客様がご愛用されてきたお時計の数々をお買取りさせて頂くことで、当店でも豊富な品揃えを実現できております。そのため今後も高額買取に力を入れていき、また大切なお時計を次のお客様へとお届けする橋渡しを担っていきたいと思っております。
今後とも、GINZA RASINをお引き立て下さいますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
文:鶴岡
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この記事を監修してくれた時計博士
田中 拓郎(たなか たくろう)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB・システム系全般を担当している。
時計のマーケットに非常に精通しており、買取相場や買取お役立ち情報はもちろん、リユース業界の報道や最新ニュースなど、幅広い分野で監修に携わっている。
また、スイスで行われる腕時計見本市の取材も担当してきた。得意なブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年。