国産初の高級時計ブランドとして誕生したグランドセイコー。
2020年には60周年を迎えており、極限まで追い込んだ高精度ムーブメントと卓越した外装技術を武器に、国内外での人気を高め続けてきました。
そんなグランドセイコー、近年「資産価値は高いですか?」といったお問合せをとみに頂くようになりました。
ロレックスを中心とした高級時計ブランドが近年価格高騰しており、時計の売買に長けた愛好家のみならず一般ユーザーもまた「売却時に大きく値下がりしない時計」を求めていることが伺い知れます。
長らく上質な製品で高い評価を得てきたグランドセイコーですが、資産価値についてはあまり取沙汰されてはいませんでした。
そこでこの記事では、グランドセイコーの主要な人気モデルの近年の価格推移を調査するとともに、同社のブランディング動向から、資産価値について徹底解説致します。
※掲載する情報は2024年1月現在のものとなります。
※高額買取をお約束するものではありません。参考程度にお読みください
目次
グランドセイコー 人気モデルの価格推移
資産価値の定義は様々だと思いますが、一つの考え方として「長年価値が安定している」というものがあるでしょう。また、購入時より大幅減額されない価格で売却できるといった定義も、時計市場では根強いです。
「高級時計は一生もの」というように、メンテナンスやパーツ交換を適宜施すことで、末永く愛用していくことが可能です。そしてこの「長持ち」は二次流通市場(中古市場)の確立にも繋がります。年式を経ていたり新品ではない中古品であっても実用に耐えうるため、活発な売買が行われるのです。
こういった背景から、昔から時計好事家の間では売買しながら様々な時計を楽しむといった向きもありました。
品質に定評のあるグランドセイコーもまた、そんな中古市場の立役者的存在です。
とは言え現在では、「投機」的な意味合い(買った金額よりもはるかに高い価格で手放せる、あるいは今後価格高騰する)でこの「資産価値」が用いられるブランドもあります。
定価や購入価格を大きく上回るような資産価値を有した時計は限られますが、「価値が落ちづらい」「高い価格で売れる」というのは購入時に気にしたいポイントです。もし一生使い続けて次世代に紡いでいくおつもりでも、価値があるに越したことなし!
この資産価値を証明することは困難ですが、過去の価格推移を調査することで、「価値の安定傾向」を知ることはできます。
また、価格が安定している、あるいは上昇している場合、今後もまた同様の流れとなる可能性が高いとも言えます(バブル的に急騰している場合は、その限りではありませんが)。
そこで本項では、グランドセイコー 主要人気モデルの2018年~2023年の価格推移を調査のうえ、掲載致します。
なお、当店GINZA RASINで販売した中古価格から年間平均を割り出しておりますが、実際の中古品価格は状態や付属品の有無に左右されることをご了承下さい。
①グランドセイコー スプリングドライブ SBGA211 雪白
年 | 付属品 | 実勢相場(平均値) |
2018年 | 箱/保証書 有 | 531,100円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 528,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 546,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 581,000円 |
2022年 | 箱/保証書 有 | 592,000円 |
2023年 | 箱/保証書 有 | 632,000円 |
「雪白」「スノーフレーク」などといった愛称を持つこちらのグランドセイコーは、現在当店でも圧倒的人気モデル!
グランドセイコーが2017年に独立したことは冒頭でお話した通りですが、この独立を契機にかつての質実剛健なイメージが全面に押し出されていた製品群とは様相を異にするモデルがリリースされるようになりました。
その代表格が、百花繚乱な文字盤でしょう。雪白もまたそんな美しい文字盤を有する製品の一つです(もっとも雪白は独立前から存在しましたが)。
0.4mmという微細な凹凸で形成された型押しパターンにコーティングを丁寧に重ねることで、「信州 時の匠工房」から望む穂高連峰の雪山を表現しているのだとか。
※信州 時の匠工房・・・長野県塩尻市に位置する、グランドセイコーの製造拠点。主に9Fクォーツとスプリングドライブが生産されている
軽量なブライトチタンを丁寧に磨き上げることで、貴金属とも遜色ない美しさを有しており、「これぞグランドセイコー」「これぞ日本の高級時計」といった様相です。
出典:https://www.facebook.com/grandseikojapan/photos/
こういった「美しさ」「高級機として申し分のない質感」もさることながら、内部機構がスプリングドライブであることも人気の秘訣。
スプリングドライブとは、1997年にリリースされた、グランドセイコーの独自機構です。
簡単に言うとクォーツと機械式時計の良いとこどりをした機構となり、クォーツのような高精度を備えながらも機械式時計のような力強いトルクを持つというもの。
グランドセイコーを買うならスプリングドライブ!といった方もいらっしゃるでしょう。
様々な人気要素に支えられて、上記グラフからもおわかり頂けるように、SBGA211の価格は上昇傾向。
以前から人気モデルではあったものの、ここ一年ほどの売れ筋は凄まじく、常にグランドセイコー人気ランキングTOP10入りを果たしています。
人気の背景として、雪白文字盤の海外人気が高まったことも挙げられるでしょう。SNS上では専用ハッシュタグ等もあるようです。
当店の買取サロンでも、SBGA211は中古390,000円(条件あり/キャンペーン価格)でお買取りさせて頂いており、定価が814,000円であることを鑑みれば、なかなかのリセールバリューと言えるでしょう。
ちなみに2017年より前は、セイコーのロゴが併記されたSBGA011がリファレンスでした(グランドセイコーは独立とともに文字盤ロゴを変更しています)。
SBGA011もまた310,000円が中古買取のキャンペーン価格となっており、「値崩れしづらい」ことを証明する一端ですね。
②初代グランドセイコー リミテッドコレクション SBGW253
年 | 付属品 | 実勢相場(平均値) |
2018年 | 箱/保証書 有 | 628,000円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 744,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 786,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 768,000円 |
2022年 | 箱/保証書 有 | 826,000円 |
2023年 | 箱/保証書 有 | 885,200円 |
グランドセイコーとしては珍しく「プレミアム価格」となっているのが、こちらの初代グランドセイコー復刻エディションです。
当時の定価は税込で648,000円。
じょじょに値段が上がっていることが上記価格推移からご覧頂けるかと思います。
そんなSBGW253は、まさにグランドセイコーが独立した2017年に、スペシャルエディションとしてリリースされました。グランドセイコー創業の1960年にファーストモデルとして登場したJ14070の復刻として、大きな話題を集めたものです。
↑初代グランドセイコー J14070
ちなみにグランドセイコーファーストモデルは、当時国産初の高級時計として、そして当時から業界の権威であったクロノメーターに匹敵する高精度腕時計として誕生しました。
価格は25,000円。これは、当時の大企業の役職者の給与と同等のハイエンドでした。
そんな歴史的モデルの復刻は2011年のセイコー120周年にも行われましたが、2017年版はケースサイズが38mmにモダナイズ。
2011年版は35.8mmとより初代に近いサイズ感でしたが、2017年版の38mmというスタンダードサイズが扱いやすいといった声は少なくありませんでした。
なお、この2017年発表の復刻モデルは三種存在しました。
出典:https://www.grand-seiko.jp/thefirstgrandseiko/detail01/
一つ目がこちらのステンレススティール製SBGW253。1960本生産されました。また、イエローゴールド製のSBGW252とプラチナ製SBGW251が、それぞれ136本のきわめて限定的なデリバリーに。
こういった稀少性,そしてアンティーク(ヴィンテージ)人気も相まって、初代復刻モデルが定価を上回るプレミア相場に至っている状況です。
イエローゴールドモデルとプラチナモデルはめったに市場に流通しないため一概に価格については言及しかねますが、それでも高相場であることは事実(当店で2018年に入荷したSBGW252は、170万円の値付けを行いました)。
これまたグランドセイコーの資産価値を裏付ける名機と言えるでしょう。
③グランドセイコー クォーツ ヘリテージコレクション SBGV225
年 | 付属品 | 実勢相場(平均値) |
2018年 | 箱/保証書 有 | 194,000円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 193,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 189,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 190,000円 |
2022年 | 箱/保証書 有 | 190,000円 |
2023年 | 箱/保証書 有 | 198,000円 |
グランドセイコー随一のコスパと言えば、9Fクォーツ搭載モデルです!
9Fクォーツは文字通りクォーツ式のムーブメントですが、一般的なそれとは異なります。
クォーツ式は機械式時計とは異なり、クォーツ(水晶振動子)と電子回路によって精度を取るスタイルを指します。クォーツは電圧印加によって高速振動(1秒間に32,768振動!)する性質がありますが、これを利用して1秒間に1パルスの信号に電子回路で変換し、正確に運針させる機構となります。
大量生産が可能なため安価で、それでいて一定の精度や性能を保つとあって、現在では非常にポピュラーな機構です。ちなみにクォーツを世界で初めて市販化したのはセイコーです。
一方で一般的なクォーツは機械式時計と比べてトルクが弱く、高級機に欠かせない長く太い針を動かすことがなかなかできません。
しかしながらグランドセイコーの9Fクォーツでは、一般的なクォーツよりもさらに精度を追い込み、かつ力強いトルクを有するという驚くべき特徴を持った画期的な機構となっています。
出典:https://www.grand-seiko.com/jp-ja/about/movement/quartz
そんな9Fクォーツ搭載機、扱いやすくかつグランドセイコーらしい高精度を楽しめる一方で、価格がお求めやすいことも大きな特徴です。
参考定価は税込280,800円、中古価格はここ4年でおおむね20万円以下!確かに機械式時計に比べてクォーツはパーツ数が簡易的なこともあり、低価格帯にはなります。とは言えグランドセイコーレベルの外装技術が使われる製品で20万円以下というのは驚きを禁じえません。
一方で4年、依然として20万円前後をキープしているところを見ると、資産価値が安定していると言って差支えありませんね。
買取価格に関しては11万円前後となっており、クォーツ時計としては非常に高い水準となっています。
なお、こちらのSBGV225にも、2017年以前に製造されていた先代モデルがあります。それが、下の画像のSBGV025です。
こちらは旧型ということもあり15万円台~と若干お安くなります(時計は精密機器であるため、新しい個体ほど価値が高くなる傾向にあります)。
しかしながら長年の価値の安定性は同様ですので、購入時の予算を抑えたい方はもちろん、売却時に損をしたくない方にとっても十分お勧めできる中古グランドセイコーです。
④グランドセイコー スプリングドライブ GMT SBGE001
年 | 付属品 | 実勢相場(平均値) |
2018年 | 箱/保証書 有 | 370,000円 |
2019年 | 箱/保証書 有 | 404,000円 |
2020年 | 箱/保証書 有 | 402,000円 |
2021年 | 箱/保証書 有 | 409,000円 |
2022年 | 箱/保証書 有 | 416,000円 |
2023年 | 箱/保証書 有 | 432,000円 |
2017年の独立化によって後継機SBGE201に現行を引き渡したものの、今なお根強い人気を誇っているのがこちらのスポーティーな一本です。
グランドセイコーには珍しいダイバーズモデルで、肉厚なケースにしっかりとした回転ベゼル、さらにGMT機構を搭載させていることが大きな特徴ですね。
グランドセイコーは長らく「実用時計の最高峰」「最高の普通」と称されてきました。一方でグランドセイコーはこういった実用性にフォーカスされてきたことから、スポーティー・デザインが少なかったことも事実です。
ちなみにロレックスを始めとした一部メーカーを除き、こういった生産終了モデルはじょじょに年間の平均相場としては下落していくものです。繰り返しになりますが時計は精密機器である以上新しい個体ほど高値になる傾向がありためです。
生産終了となると出回りは基本的にはある程度使われた後の個体となるため、中古としての販売価格が付けられる結果、現役時代よりかは相場が若干落ちていく、というわけです。
しかしながらこのSBGE001(そしてその他グランドセイコー人気モデル)はむしろジワジワと相場が上がっていることに、驚きを禁じえません。それだけ需要が高く、また経年によって価値が落ちづらい個体であることを示唆しています。
④その他グランドセイコー高騰モデル
前項までで一部とはなるものの、主要人気モデルの価格推移をご紹介致しました。
なお、近年の新作や出回りが最近の個体は平均価格推移をまだ出せないため掲載していませんが、グランドセイコーには他にも人気ゆえに高値で売買されている個体は枚挙にいとまがありません。
例えばこちらのSBGA231。
やはりグランドセイコーでは珍しい本格ダイバーズモデルで、200mというきわめて高い防水性とスプリングドライブ搭載により、高性能ウォッチとしても定評のある一本です。当店での買取価格は490,000円。参考定価は814,000円であったことを鑑みると、リセールバリューという点では高いと言わざるを得ません。
また、復刻モデルや限定モデルも、稀少性から実勢相場が上がりやすい傾向にあります。
近年のグランドセイコーは限定販売がよく見受けられるため、こういった稀少性によって所有欲が刺激されるといったファンも多いのではないでしょうか。
グランドセイコーの資産価値は今後高まるのか?定価改定とブランド戦略から考察する
前項でもご紹介したように、グランドセイコーは2017年の独立以来、ブランド戦略を大きく方向転換することとなりました。
その一環として、高級化路線があります。
近年の時計市場は縮小していると言われていますが、一方で成長しているのが高価格帯製品です。背景は様々ですが中国やインドといった大国はもちろん東南アジアを始めとした新興国で富裕層の人口が増えた結果、時計・宝飾品需要がかつてないほど高まっていること。またスマートフォンやスマートウォッチにシェアを奪われつつも、少なくない顧客が伝統的な時計を求めていること。
またコロナ禍も手伝ってラグジュアリー製品のeコマース化が進み、比較的手軽に高級時計を購入しやすくなったことなどが挙げられるでしょう。
こういった現状からわが国でも、「安くて良いもの」から「高くて価格に見合ったプロダクト」を要請する層が、増えつつあります。
とは言えわが国の時計ブランドの多くは、かつて「安くて良いプロダクト」でのしあがってきた歴史があります。
前述したクォーツ式腕時計が好例でしょう。
かつて職人が手作業で作り上げる機械式時計は、一部の富裕層にのみ許された所有物でした。しかしながら機械式時計と比べて大量生産が容易で高性能を担保しやすいクォーツ時計の普及は、一般消費者にも腕時計を身近なものとした功績があります。また、製造ラインのオートメーション化に長けていた日本は、他国との価格競争で大変優位に立つに至ったのです。
一方で「安いほど良い」といった価値観が、かつてほどなくなったことも事実。むしろ「高価格に見合った高級感」「価格なりの品質」「高級時計ならではの一生モノ」といった考え方がわが国でも強まってきました(もちろん安くて良いものは依然として魅力的ですし、ただ高いだけやモノに見合わないような価格は受け入れられませんが)。
グランドセイコーの定価は決して安くはありません。そして品質もまた、その高価格帯に見合った上質さを有することは繰り返し述べている通りです。
しかしながら、量販店で割引をしていたり、外装の高級さに反した普及価格であったがゆえに、グランドセイコーが高級時計としてのブランディングにスイス製と比べて若干見劣りしていたことは事実です。
そこで2017年の独立化に伴い高級化路線へと舵を取り、既存のセイコーブランドとは価格・品質・コンセプトともに一線を画したブランディングを行うことを決定したのでしょう。
この試みは功を奏し、現在ではアメリカ市場や欧州市場で高級時計ブランドとしての成功を収めています。ただ海外進出をするのではなく、グランドセイコーの高い品質に適正価格をつける。高級時計ブランドとしての認知を広める。こういった戦略によって、世界のグランドセイコーに成長しつつあると言えるでしょう。
そしてわが国においても、高級化路線のためのブランディングが行われていくこととなりました。
元セイコーウォッチ株式会社代表取締役副社長兼COOの梅本宏彦氏の自著によると、グランドセイコーは同社の最たる強みである「商品」の良さを存分にアピールできていなかった、と。
この商品の抜きんでた実力を国内市場で存分にアピールするため、梅本氏は「セイコープレミアムウォッチサロン」の開設や莫大な広告宣伝費を投じることを決断しました。
そしてついに2021年10月より価格改定―すなわち値上げ―が決定し、同時に量販店での値引き販売が停止することとなりました。すなわち、高級化路線のさらにもう一歩先へ踏み込んだ、と。
こういった高級化路線はプロダクトの価格を上げることはもちろん、資産価値の上昇にも繋がると言えます。
メーカーが定価を値上げしたからといったすぐに実勢相場に結び付くわけではないのですが、グランドセイコー=ラグジュアリーブランドといった認知が今後ますます世界的に広がっていけばその分中古製品の売買もそれに見合った値付けが行われることとなります。
もちろん今既にグランドセイコーの資産価値は十分高いと言えます。また、資産価値が上がったからと言って売却時に大きな儲けを手に出きる・・・といったことは稀です。
しかしながら一グランドセイコーファンとして、今後同社の価値がますます高まっていくことに、期待感が抑えきれません。
Column;グランドセイコーは一生ものとなるのか
「高い資産価値」と言うからには、末永く愛用していけるためのアフターサービス体制はブランド側にとって至上命題です。なぜなら時計の価値は、次のユーザーに渡った時に実用できる,何十年経っても大きく劣化しないといった部分でも担保されているためです。
また、近年ではサスティナビリティ(持続可能性)の重要性が増していることから、使い捨てではなく一生ものとするための体制づくりは社会全体で課題になっていますね。
機械式時計はメンテナンスやパーツ交換,あるいは修理をしていくことで、末永く―時には100年以上も―実用できる、実にサスティナブルなプロダクトです。また、クォーツ時計もグランドセイコーレベルの高級機となれば、メンテナンスを施すことで永く愛用していくことが可能です。
こういった時計の特性こそが、高くても欲しいといったニーズに繋がっているのでしょう。
一方でグランドセイコーには「パーツ保有期間」があります。
これはある製品の生産終了から一定期間パーツを保有し、何かあった時に修理可能とするもの。逆を言えばこのパーツ保有期間が過ぎた製品は、修理を受け付けられない可能性がある、ということです。
グランドセイコーのパーツ保有期間は10年です。
この期間が短いとし、「グランドセイコーは一生ものではない」「修理できなかった個体の価値は大幅に下がる」などと噂されることがあります。
確かにパテックフィリップやオーデマピゲといった超高級ブランドの中には永久修理を掲げているところもあるため、やや物足りないと感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかしながらグランドセイコーが「10年経ったら直せない」とか、そんなことはありません。
当店でもグランドセイコーが誕生した1960年代当時のモデルをオーバーホールしたうえで販売することもありますし、セイコーのメンテナンスで受付されたこともあります。
もちろんどうしても修復できないような損傷が加えられることもありますが、それはどのブランドにも言えることです。
むしろグランドセイコーの資産価値を守るために大切なのは、こういった損傷を引き起こさないよう衝撃を加えない,水気に気を付けるといった、適切な取り扱いにあると言えるでしょう。
まとめ
グランドセイコーの資産価値についてご紹介致しました。グランドセイコーは長年に渡って安定した資産価値を誇っており、今後の効果各路線によって、ますますその価値を確固たるものとしていくことが見込まれます。
一生愛せる高級時計が欲しい。
子どもに受け継げる一本が欲しい。
リセールバリューを考慮した一本が欲しい。
グランドセイコーは、そんな時に最適な選択となるのではないでしょうか。
文:鶴岡
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この記事を監修してくれた時計博士
田中 拓郎(たなか たくろう)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 取締役 兼 経営企画管理本部長
当サイトの管理者。GINZA RASINのWEB・システム系全般を担当している。
時計のマーケットに非常に精通しており、買取相場や買取お役立ち情報はもちろん、リユース業界の報道や最新ニュースなど、幅広い分野で監修に携わっている。
また、スイスで行われる腕時計見本市の取材も担当してきた。得意なブランドはブレゲ、ランゲ&ゾーネ。時計業界歴12年。