時計を長く使っていると、何かしらの破損や不具合が生じる場合があります。
特にリューズ抜けに関しては発生事例が多く、悩みを抱えているユーザーは少なくありません。
そこで今回はリューズが抜けてしまった時計はどれくらい査定に影響するのか?という疑問についてお答えします。
たかがリューズ、されどリューズ。
時計買取に興味がある全ての方にご一読して頂きたい内容です。
目次
リューズ抜けによる査定への影響
ケースに傷がある。文字盤にヤケがある。付属品が欠品している。
高級時計の買取において査定が下がる要因は様々ですが、リューズ抜けに関しては数万円ほどの査定価格が下げられる傾向があります。
もちろんブランドによって下がり幅は異なりますが、4万円以上価格が落とされることは稀です。
例えばロレックスの場合。
他のブランドよりも堅牢性・ステータス性が高いロレックスのリューズは高価になりがちです。
その分紛失や修理時の負担が大きくなるため、下落幅も大きくなります。
リューズが抜けてしまう原因
「リューズが抜けた!」というトラブルの原因として考えられるのは、以下のようなものが挙げられます。
強い力を加えた
高級時計は安価な時計とは異なり、ちょっとした衝撃ではリューズが外れない設計となっています。しかし、高いところから落としたり、糸などを絡ませて強く引っ張ってしまった場合などは取れてしまうことがあります。
特に巻き芯ごと取れてしまった場合、ムーブメントが破損してしまうことがあり、買取店の立場からするとリューズが取れている時計の買取は慎重にならざるを得ません。
内部の部品の経年劣化
そもそも内部の部品が経年劣化していることによってリューズが取れてしまうことも考えられます。
この場合は使い方に問題があるというよりはパーツに問題があることが多いです。
パーツの内部劣化によるリューズ取れは修理費が高くなるケースが目立つため、買取時の査定下がりは大きくなります。
時計の巻き芯が緩んでいるだけ
強い衝撃を与えたわけでもなく、パーツが劣化しているわけでもない。それなのにリューズだけが取れた。
この場合は時計の巻き芯が緩んでいるだけかも知れません。
巻き芯とリューズはただ締めているだけなので、徐々に緩んでくる場合があります。ただ、緩んでしまっただけならば取り付けるだけなので、査定の下落は僅かで済むことが多いです。
リューズが重い・動かないことも問題
リューズのトラブルというと取れることが真っ先に浮かびますが、リューズが重い・動かないといった場合も査定に影響を与えます。
取れるよりかはマシに思われがちですが、大きな故障を抱えている可能性があるので注意が必要です。
リューズが重くなって原因は油切れ・内部のサビが原因の場合が多く、買取の際は見込まれる修理費の分査定が減額されます。
特にサビが広範囲に広がっている場合は数万円では済まないほど査定が下がりますので、やはり日頃から丁寧に時計を扱うことを心掛けておいた方が良いでしょう。
ちなみにリューズが動かないからといって、強引に回すことは控えてください。
無理なエネルギーをかけることでパーツが破損してしまい、さらに修理が必要となる場合があります。
取れたリューズを無くしてしまった際の影響
リューズが取れてしまい、仮に無くしてしまった場合でも買取することは可能です。
ただその場合は買取店が新しく新品のリューズを取り寄せてから修理することになるため、リューズの原価分を差し引いた査定金額が提示されます。
尚、オリジナルの状態であることが好ましいアンティークモデルに関してはリューズの紛失により数万円以上も査定価格が下がることもあります。
店舗選びも重要なポイント
リューズの外れた時計を買取可能な店舗は意外と多いです。
しかし、どの店舗でも適正価格で買取してもらえるわけではありません。
悪質な買取店に持ち込んでしまった場合、リューズが取れている、サビが発生しているといった理由を使い、適正価格の半値以下の査定が提示されるケースもあります。
そこで大切なのは評判の良い店舗に依頼することです。
社内の人間であればいくらでも自社の事を持ち上げることができますが、ユーザーからの口コミだけは操作することができません。
逆にいうと口コミが高い店舗は信用できる店舗といえますので、是非積極的に利用してみてください。
まとめ
リューズが抜けた時計は満額査定とはいきません。
パーツが破損していたり、不具合があったりと、何かしらの問題を抱えいることが大半であるため、どうしても修理の分査定価格は下がります。
ただ、高くとも数万円程度に収まること場合が多く、最大査定の半値以下になることはまずあり得ません。
高く売れる時計は高く売れるので、リューズが外れていたとしても物怖じせず持ち込むことをオススメします。
この記事を監修してくれた時計博士
南 幸太朗(みなみ こうたろう)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン プロスタッフ
学生時代から腕時計好きで、大学卒業後にGINZA RASINへ入社。店舗での販売・仕入れの経験を経て2016年3月より本店 店長へ就任した。
得意なブランドはロレックス・パテックフィリップ・オーデマピゲだが、幅広い知識のもと、あらゆる商品情報や相場の造詣が深い。時計業界歴10年。