時計を買取してもらうなら、とにかく高い価格で買取してほしいという気持ちは誰もがもっているはず。
当店ではお客様に満足いただけるように、精いっぱいの査定価格を日々ご提示しております。しかし、査定を申し込まれた際には「新品」と伺っていたものの、実際に拝見すると「新品」でない状態の時計が割と多いです。
新品とそれ以外ではご提示できる価格に差異が出てしまうため、折角当店にお持ちいただいたのに、ご満足頂ける価格をご提示できない可能性があります。
そこで、今回は当店が「新品」と判断する基準をご紹介させて頂きますので、持ち込む際の参考にしていただけたら幸いです。
1.「新品」「未使用品」「中古品」の定義
そもそも、「新品」「未使用品」「中古」の定義は何でしょうか。
一般的な定義をご紹介いたします。
■新品
一度もユーザーに販売されたことがなく、メーカー出荷時と同じ状態のもの。
■未使用品
一度は販売されたことはあるものの、使用しないまま買い取り業者に売却されたもの。
または時計は新品だが、付属品が欠品している、保証書の日付が古いなどの理由で新品としては販売できないもの。
■中古品
ユーザーに販売され、実際に使用されたことのある状態のもの。
このほか「アンティーク」と呼ばれる、1970年代ごろまでに製造されたものを指す分類もありますが、そちらは下記の記事をご参照ください。
2.新品とはどんな状態を指すのか?
では「新品」とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか?
次にお手に取られた方が「新品を購入した」という満足感を得るためには一度誰かの手に渡っていた、という印象を与えないものが「新品」であるといえます。
当店の考える「新品」の状態は以下の通りですので、是非ご参考ください。
定義1.メーカー保護シールが全部ついている
メーカーから出荷される際に、時計に傷がつかないように保護シールが貼ってあります。
「新品」としてお売りいただく予定のある方は保護シールは全て剥がさずにお持ちください。
一部でも剥がれていると「未使用品」として査定される可能性がございます。
また国内正規店では購入時にお店の方で保護シールを剥がしますので、そのまま買い取り業者にお持ち込み頂いても新品としての買取は難しいです。
定義2.付属品が全て揃っている
時計自体は一度も使用しておらず、保護シールも剥がしていなかったとしても、付属品が一つでも欠けているものは「新品」と呼ぶことができません。
購入証明となる保証書は言うまでもありませんが、箱、タグなど、購入時に付属されていたものは全て必要になりますので捨てずに残してください。
また、明らかに汚れていたりダメージのある付属品は「新品」と判断しかねますので、購入店からお持ち帰りの際や帰宅されてからのお取り扱い時にもお気を付けください。
定義3.保証書の日付が直近である
たとえ保護シールが剥がされておらず、尚且つ付属品が全て揃っていても、保証書の日付が古いものは「新品」と呼ぶことができません。
購入してから時間が経過している分、保証期間が短くなっていますので、記載されている保証書発行日から半年以上経っているものは「未使用品」になってしまいます。
2.状態による買い取り価格の違い
直近3か月における当店の状態別買取実績をご紹介いたします。(2017年8月現在)
GMTマスターII 黒青ベゼル(116710BLNR)の場合
■新品
買取例1:103万円 (保証書日付:2017年7月)
買取例2:97万円 (保証書日付:2017年5月)
■未使用
買取例 :85.5万円(保証書日付:2017年5月)
■中古
買取例1:82万円 (保証書日付:2014年11月)
買取例2:80万円 (保証書なし)
サブマリーナデイト グリーンベゼル(116610LV)の場合
■新品
買取例:101万円 (保証書日付:2017年7月)
■未使用
買取例1:85.5万円(保証書日付:2017年5月)
買取例2: 88万円(保証書後日別途買取)
上記のように、保証書日付が近いものであっても「新品」と「未使用」の違いでは大きな差があります。
「新品」に高い価格をご提示するのは「新品」の魅力に対するものといえるでしょう。
上記をご説明させて頂きましたが、次に手に取るのが自分であると考えると、どのような状態を「新品」と呼ぶのか想像がつきやすいかもしれません。
出荷された時の状態を保つことは難しいかもしれませんが、それでこその価格をご提示させて頂いております。
お売りいただく事をお考えの方は、是非ともそれらを考慮しての購入と保管をお願い致します。
3.中古品の魅力
それでは最後に中古品の魅力についてもご説明をさせて頂きます。
中古の時計は誰がどのように使用したのか分からないため苦手な方もいらっしゃいますが、中古の時計には下記のような魅力があります。
・新品よりも価格が抑えられる
・生産終了のモデルも手に入れることができる
機械式の時計は値が張るため、新品では手が出せない時計も中にはあるでしょう。ですが、中古なら価格的に手に入りやすくなり、またワンランク上の時計を視野に入れることも可能です。
さらに新品は現行モデルしか購入することができませんが、中古でしたら生産終了になっているモデルも購入することができるため、新品よりラインナップが豊富であるといえます。
また、大変人気のあるモデルは正規店では手に入れることが難しいことがございます。
例えばロレックスのデイトナなどは、生産量が抑えられているため正規店ではほとんど見かけることはないでしょう。
正規店で欲しいモデルが見つからないときには未使用品や中古品をさがしてみてもいいかもしれません。
中古品は品質にばらつきはありますが、状態の良い個体を手に入れることができれば、とてもお得に手に入れることができます。
当店では中古品を販売する際、外装、内部機械共に良いコンディションに仕上げてご案内しておりますので、是非一度ご覧になってください。