ロレックスの2020年新作として9月1日に発表されたサブマリーナ デイト126610LNおよび126610LV。
今年は新作発表のタイミングがズレ込んだ関係で、ほぼ同時に国内でも販売がスタートしました。
発表直後から熱狂的なまでの注目度を浴びていたため、初値は黒ベゼルの126610LNが200万円、グリーンベゼルの126610LVに至っては280万円台!当然ながら他のスポーツロレックスに輪をかけて品薄で、マラソンランナー(商品を買い求めてロレックス正規店をめぐることをロレックスマラソンと呼ぶ)たちからの購入報告も、きわめて限定的なものでした。
あの狂騒からしばらくを経た現在。
じょじょに並行市場にも流通が始まっており、当店GINZA RASINでもこの両名の新作モデルを買取させて頂いております。
では、現時点での新作サブマリーナの買取状況はどのようになっているのでしょうか。買取価格はいくらで、今後上昇していくのか、下降していくのかが気になるところ。
この記事では、2020年新作サブマリーナ デイト 126610LNおよび126610LVの最新買取情報について解説いたします!
目次
ロレックス サブマリーナ デイト 2020年新作 126610LN/126610LV 概要
まず最初に、新作サブマリーナについてご紹介いたします。
ロレックス サブマリーナ デイト 126610LN
Ref.126610LN
製造期間:2020年 ~ 現在
ケースサイズ:直径41mm×厚さ13mm
搭載ムーブメント:Cal.3235
防水:300m
定価:965,800円((税込))
ロレックス サブマリーナ デイト 126610LV
Ref.126610LV
製造期間:2020年 ~ 現在
ケースサイズ:直径41mm×厚さ13mm
搭載ムーブメント:Cal.3235
防水:300m
定価:1,009,800円((税込))
10年ぶりにモデルチェンジを果たしたサブマリーナ。パッと見た外観は旧型の116610LNおよび116610LVと大きく変わらないと思われましたが、最大の違いがありました。
それは、ケースサイズが41mmへとアップサイジングされたことです。
サブマリーナは1953年に誕生して以来、初期の一部個体を除き、40mmケース径が伝統でした。しかしながら2020年、約50年ぶりに変更が加えられたこととなります。
もっとも1mm大きくなったとは言え、ケース設計そのものが見直されていることで、「デカ厚」などの印象はありません。むしろ武骨さは一掃されています。
どのような変更が加えられたのかをさらに解説すると、ケース厚は従来と大きく変わらない約13mmほど。
しかしながらラグ幅やリューズガードがシャープに、そしてコマ幅が1mm広く、フラッシュフィットとのバランスが調整されるようになり、全体的にどこか往年のサブマリーナを思わせる上品さを湛えることとなりました。
ちなみにグリーンサブの126610LVの方は、文字盤カラーがグリーンからブラックへと変更になっているため、より新旧の区別がわかりやすいでしょう。
さらに、近年ロレックスが積極的に開発を進める、新世代ムーブメントを搭載したことも新作サブマリーナの特筆すべき点です。
新ムーブメントCal.3235は、2015年からロレックスモデルで採用され始めた3200番台機の系譜です。
長年使われてきた3100番台ムーブメントは、紛れもない傑作機です。全機で公認クロノメーター(COSC)を取得する高精度。一方で精度一辺倒ではなく、耐久性や安定性にも気を配った独自設計。そして耐磁性能や耐衝撃性能といった、実用面の訴求。
ロレックスの多くのモデルの買取相場が高く、中古市場で絶大な人気を誇り続けているのは、ムーブメント自体の性能がきわめて高い&経年劣化がきわめて少ないことが大きな理由です。
現在移行している新世代の3200番台では、さらに効率性や信頼性がアップしたことに加え、約70時間のロングパワーリザーブを獲得。これは、3100番台までと比べて約一日分の延長したことを意味しています。
出典:https://www.rolex.com/ja
ちなみにこの新世代ムーブメントの流通スタートと時を同じくする2015年、ロレックスは独自の高精度クロノメーター(Superlative Chronometer)を制定。COSCの二倍の正確性を誇る当規格を突破した機械のみを製品化するようになりました。
このように内外ともにアップデートされた新作サブマリーナ。
もともとのロレックス人気を鑑みれば、新作発表当時の狂騒やむなし。
今なおこの熱は冷めやらず、市場からの需要は常に高い状態となっております。
なお、新型・旧型サブマリーナの詳細な違いは下記記事をご覧くださいませ。
ロレックス サブマリーナ デイト 126610LN/126610LV 最新買取情報2020
2020年11月現在、126610LNおよび126610LVは定価を遥かに超えるプレミア価格で取引されています。
サブマリーナ デイト 126610LNの国内定価は965,800円ですが、現在の並行輸入市場では170万円台。サブマリーナ デイト 126610LVに至っては、国内定価1,009,800円のところ230万円台!!
初値ほどではありませんが、まだまだ高値と言っていいでしょう。
もちろんまだ発表から2か月程度しか経っておらず、ご祝儀価格が続いているとも考えられます。しかしながら依然として正規店にモノは少なく、並行輸入市場にも出回ってきたとは言え品薄解消には時間がかかるでしょう。
そんな新作サブマリーナ。買取情勢になかなか目が離せません。
2020年11月現在の、新作サブマリーナ 126610LN/126610LVの最新買取価格はこちらです。
126610LN:未使用品1,380,000円/中古品1,280,000円
126610LV:未使用品1,750,000円/中古品1,650,000円
中古であっても、定価を超えていることがおわかり頂けるでしょう。
つまり、万が一正規店で手に入り、そのまま時計専門買取店に持ち込んだとすると、思わぬ利益を手にできるというわけです(もっとも、現在はロレックス側も転売対策に力を入れているようですが)。
もちろん、今後新作サブマリーナの供給量が増えれば、この価格は落ち着いていく可能性があります。
そうは言ってもロレックス。
常時高い需要を誇っているため、どれくらいの供給量で下落するかは想像もつきません。
「高くても欲しい」「待ってでも欲しい」という方は後を絶たず、こういったニーズがサブマリーナ相場をさらに盛り上げている現状があります。
あるいはデイトナ 116500LNのように、爆発的な人気を記録し続け、発売当初よりもどんどん相場が上がっていく、なんてシナリオも十二分に考えられるところです。
しかしながら「今、既に新作サブマリーナを所有している」あるいは「今後所有できた」時に知っておいてほしいのが、売りたい時が売り時、ということ。
なぜならロレックスは精密機器です。そのためいくら耐久性やメンテナンス性に優れているとは言え、時間が経てばたつほど機器としての価値が落ちていくことは間違いありません。また、現在のロレックス保証書は販売店で購入時、購入日が記入されてその場で即時発行されるのですが、この日付が新しいものほど「未使用品」として扱われ、買取価格は高くなります。
そのため現在使っていない,売却を考えているのであれば、お早めに買取店に持ち込みましょう。
なお、ロレックスは多くの店舗で積極的に高額買取を行っております。新作サブマリーナであれば、言わずもがな。
しかしながらショップごとの在庫状況によっても買取価格は変わってくるので、複数店舗で査定を行い、比較検討することも大切です!
せっかく入手した新作サブマリーナ。納得のいく買取査定額で手放したいですね!
まとめ
2020年に発表された、新作サブマリーナ126610LNおよび126610LVについて、そしてそれぞれの買取情報についてご紹介いたしました!
まだデリバリーが始まったばかりと言うこともあり、高値が続く新作サブマリーナ。しかしながら本稿でも言及しているように、現在ロレックス相場は上昇を続けており、サブマリーナ自体の人気を鑑みれば、この傾向は続いていくといった見方が少なくありません。
今後も目が離せない買取情勢。
随時更新していきたいと思います!
文:鶴岡
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この記事を監修してくれた時計博士
池田 裕之(いけだ ひろゆき)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 買取部門 営業企画部 MD課/買取サロン 課長
1982年生まれ・熊本県出身。
20代でブランド販売店に勤務していく中で、高級時計に惹かれ、その奥深さや魅力を知っていく。29歳で腕時計専門店へ転職を決意し、GINZA RASINに入社。
豊富な時計への知識を活かして販売・買取・仕入れに携わり、2018年8月にはロレックス専門店オープン時、店長へ就任した。販売・買取ともにリピーターが多い。時計業界歴17年。