ロレックスのシリアル番号で大体の製造年が解る事はご存知の方が多いかと思いますが、実はブレスレットにも製造年を表す刻印は存在します。その名は「クラスプコード」。
今回はこの「クラスプコード」について解説したいと思います。
クラスプコードとは?
ロレックスの時計には本体に刻まれているシリアル番号以外に、クラスプにも製造年によって異なる番号が割り振られたコードが用意されています。本体シリアル同様に完璧に分類されているわけではありませんで、確実に製造年と時計が一致するとは言い切れませんが、おおよその目安程度として十分に活用することができます。
クラスプコードはクラスプにある「ロゴの右」に存在します。
「STTELINOX」の刻印の上には「X2」とアルファベットが刻まれており、これを「クラスプコード」と呼びます。ちなみにSTTELINOXの”INOX”はフランス語のinoxydableの略で「酸化されない」という意味をもつ言葉。つまりはステンレススチール製という意味をもつ刻印です。
普通ならば「stainless steel」と刻印するところですが、ロレックスは敢えてSTTELINOXと刻印するところが洒落てます。
アルファベットと年式の表
1976年 :A
1977年 :B
1978年 :C
1979年 :D
1980年 :E
1981年 :F
1982年 :G
1983年 :H
1984年 :I
1985年 :J
1986年 :K
1987年 :L
1988年 :M
1989年 :N
1990年 :O
1991年 :P
1992年 :Q
1993年 :R
1994年 :S
1995年 :T or W
1996年 :V
1997年 :Z
1998年 :Z or U
1999年 :X
2000年 :AB
2001年 :DE
2002年 :DT
2003年 :AD
2004年 :CL
2005年 :MA
2006年 :OP
2007年 :EO
2008年 :PJ
2009年 :LT
2010年 :RS
2011年 :CP orランダム
2012年 :以降ランダム
この表で当てはめてみると、先ほど見たクラスプコードの「X」は1999年になります。クラスプコードにより製造年が分かったら、実際の時計の製造年と答え合わせをしてみましょう。
クラスプの写真を撮ったのはこちらのモデル
この時計の本体シリアル番号は「A番」。A番は1999年製ですので、クラスプコード「X」番の1999年としっかり合致します。本体に刻まれたルーレット刻印の無いモデルはブレスレットを外してシリアルを確認するしか製造年を調べる方法が無いかと思われてましたが、実はクラスプコードでも確認が可能ということがこれで分かりました。
ブレスレットが交換されると刻印も変わる
しかし、気を付けて頂きたいのはブレスレットが交換されていると刻印が変わってしまうことです!
ロレックスサービスを通して交換したブレスレットには「クラスプコード」の後に「S」と刻印されているので、時計とブレスレットの年式がズレています。その場合、年式を調べるには時計のシリアル番号を確認しかありません。
また、ロレックスサービス以外でもブレスレットを交換されている可能性があります。なので、「S」と刻印されていなくても注意してください。シリアル番号と同じくロレックスが公式に発表している訳では無いので、あくまでも目安程度にして頂ければと思います。
1976年以前のクラスプコードは数字のみ
英字による表記は1976年から始まったので、1976年より前に製造された時計はアルファベット表記がついていません。ですが、アルファベットの代わりに「数字」が刻印されているため、コチラも簡単に判別することができます。
1976年以前のクラスプコードは数字2桁の上にさらに数字が刻印されているのが特徴です。見極めかたはとてもシンプルで、下の数字2桁はそのまま西暦の下2桁と一致するようになっています。
写真のクラスプコードの場合「66」と刻印されているため、この時計は1966年に製造されたものだと判別することが可能です。
クラスプの写真を撮ったのはこちらのモデル
ロレックス オイスターパーペチュアル デイト Ref.1501
飛行機のエンジンに似せて作られたといわれるエンジンターンドベゼルが非常に印象的なアンティークウォッチ。6mmの大きめなリューズにクラウンシンボル、ブレスレットの両サイドにはリベット(鋲)など時代を感じさせるデザインとなっております。
年代が経っているので、オリジナルブレスは貴重
もし手持ちのロレックスにオリジナルブレスが未だに取り付けられている場合、それはとても貴重です。数字のクラスプコードが刻まれている時計は、そのほとんどがアンティーク時計。大半のオリジナルのブレスは破損により交換されてしまっています。なので、現在も時計のシリアル番号とクラスプコードが一致する時計はそれだけも非常に珍しい存在といえるでしょう。
注意すべき点は古い年代のシリアル番号だと数年ズレる場合があること。若干の誤差があることを念頭に置いてください。