数あるブランド品の中でも、ロレックスほど高値で取引されるものはありません。
人気モデルであれば購入額の80%を超える価格で買取されることも珍しくなく、中古品としての価値は圧倒的です。
そこで今回は「なぜ中古ロレックスの買取価格は高いのか?」
その理由について掘り下げていこうと思います。
目次
買取価格が高い理由① 流通量が少なくプレミア感があるから
新品・未使用・中古。買取に出されるロレックスの状態は様々ですが、多くのモデルが他のブランドとは一線を画す高価査定が提示されます。
その最たる理由は「流通量が少ない」からです。
ロレックスは間違いなく人気No,1時計ブランドです。
品質、実用性、ステータス性。すべてにおいて申し分なく、世界中の男性の憧れとして今も君臨し続けています。
しかし、その人気と相反するようにロレックスの流通量は決して多くはありません。
それはメーカーが敢えてモデルの流通量を制限することで、プレミア性を演出しているからです。
人は希少価値というものを大切にします。もしロレックスの時計がいつどこでも買えるようなものなら、人はロレックスの価値を低く見積もったことでしょう。
しかし、ロレックスはそれを良しとしませんでした。
ロレックスは時計の価値を下げないため、いくら人気だといっても大量に作るようなことを控えました。これだけ人気なのですから、作れば作るほど時計は売れるはず。それでも、ロレックスは流通量を抑えることでプレミア感を演出しました。
流通量が少ないと、まず新品が買えなくなります。
実際に人気モデルの多くは正規店で買うことは難しく、購入先の大半は並行店です。
しかし、正規で購入するのが困難なほどプレミアがついたモデルは並行店で定価以上の価格で販売されるので、どうしても欲しくても買えない人もでてきます。
そこで中古が求められるわけです。
中古といっても外装の研磨や超音波洗浄により、新品同様のクオリティーで販売されることが多いです。
機械式時計はオーバーホールを定期的に行えば、10年前のモデルであっても正しい精度を刻みますので、新品と中古の差は少ないのが現状です。
それなのに新品よりもお得に買えるため、少しでも安くロレックスを買いたい方にとってはメリットばかりです。
新品がプレミア価格になるほど中古の需要が高まり、そしてスグ売れる人気モデルであるほど買取店は買取したくなる。
これこそが中古ロレックスが高く買取される理由です。
買取価格が高い理由② 実用性が高い
ロレックスを現在の地位に押し上げた理由として、腕時計の機能性に関するロレックスの偉大な功績があげられます。
「オイスターケース」「デイトジャスト機構」「パーペチュアル機構」。
今でこそ当たり前に時計に備えられた機能ですが、これらの機構が完成した当時の時計界においては腕時計の歴史を動かす画期的なものであり、腕時計の可能性を大きく開拓しました。
「オイスターケース」は金属の塊をくり抜く事で高い耐水性を実現し、特許を取得した防水ケースのこと。ねじ込み式の裏蓋とリューズによってケースがまるで牡蠣の殻のように固く閉じているということから、このネーミングがつけられました。
このオイスターケースの完成により、ロレックスは成功の礎を築いたといっても良いでしょう。
また、瞬時にカレンダーが切り替わる「デイトジャスト機構」や1926年に開発された世界初の自動巻き「パーペチュアル機構」をいち早く取り入れたことに拠り、「ロレックス=実用性が高い」というイメージが定着したこともロレックス人気を押し上げた大きな要因です。
今でもなお、耐衝撃性と帯磁性に優れたパラクロムヒゲゼンマイの開発など「革新的な技術開発」は日々行われており、実用性の向上が図られています。
買取価格が高い理由③ 壊れないタフな設計
ロレックスの頑丈さは時計ブランドの中でも頭一つ抜きんでています。
購入から50年以上経過したアンティークロレックスであっても、大切に扱えば今尚現役で動いでいます。
ロレックスのケース素材にはオイスターケースが使われています。
堅牢性の高い設計に腐食に強い904Lステンレススチールの採用。ちょっとした衝撃を与えただけでは壊れることはなく、大切に扱えば何十年も使用することができます。
また、ケースのみならず、どのブランドよりも早くムーブメントの耐久性の向上に力を入れていたことから致命的な故障が少ないことも特徴です。
永く使える時計であることに拘りぬかれている。
この姿勢が購入する際の安心感にも繋がり、結果的にロレックスの評価を押し上げています。
まとめ
中古ロレックスの買取価格が高い理由。雑にまとめると「人気があるから」です。
需要があるからこそ、高く買取し、高く売れる。その繰り返しによってロレックスの中古市場は回っています。
そして、その人気を支えるのが「プレミア感・圧倒的な実用性・永く使えるタフな設計」といったロレックスならではの魅力です。
これらのアドバンテージがある限り、中古ロレックスはこれからも高価買取が続くでしょう。
この記事を監修してくれた時計博士






新美 貴之(にいみ たかゆき)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 店舗営業部 部長
1975年生まれ・愛知県出身。大学卒業後、ロレックス専門店に入社。販売・仕入れに長年従事した。
その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験を経て、2017年にGINZA RASINに入社。
店舗運営や商品管理・メンテナンスを統括し、社員教育にも力を入れている。時計業界歴24年。



