近年の時計買取はどんどん手軽なモノになっています。
一昔前は買取と言えば直接店舗に持ち込むのが当たり前でしたが、出張買取・宅配買取が増え、さらにはメール査定、そして現在ではLINE査定も行われるようになりました。
LINE査定はその名の通りLINEアプリで時計の査定を行うサービスであり、手軽さから利用する方が増えてきています。
そこで今回はLINE査定がどんな査定サービスなのかを解説すると共に、どんな注意点があるかについても解説します。
今後LINE査定を依頼する予定のある方は是非ご一読くださいませ。
目次
LINE査定のサービス内容について
LINE査定はLINEを通じて各店舗の査定スタッフに時計を査定してもらうサービスです。査定はメッセージのやり取りと写真によって行われ、撮影した写真を基準に査定金額を伝えてくれます。
時計を店舗に持ち込む必要性も郵送する必要もないため、非常に効率よく査定が可能。
買取店によって成約までの流れは異なりますが、概ね下記のような流れで進みます。
①買取してもらいたい時計の写真を撮影する
②撮影した写真をLINEで送信
③買取店から査定金額が提示される
④売る場合は買取店と交渉
⑤成約
もちろん査定価格に納得がいかなければ即時キャンセルができます。
スマホで時計を撮影するだけで、早ければ数分で査定してもらえることがLINE査定の最大のメリットです。
しかし、注意したいのはLINE査定によって提示されるのは大よその査定額だということ。
飽くまでの目安であるため、LINE査定だけで査定が完結することは殆どありません。
LINE査定のメリット・デメリット
LINE査定はユーザーにとって非常に便利な査定システムです。
20代・30代を中心に利用者は増え続けており、大手買取店の大半がLINE査定を導入するようになりました。
ここではLINE査定のメリット・デメリットを掘り下げていきます。
LINE査定のメリット
LINE査定のメリットは店舗に出かける手間がない人でも最新の買取査定が入手できることです。
買取店の査定表は常に最新になっているとは限らないため、手軽に最新の査定額を知ることができるのは魅力的だと思います。
また、同じ写真を使いまわせば、複数の業者に査定依頼を出すことも可能です。
一括査定サービスよりもスムーズに各店舗の比較検討が行えるため、LINE査定の件数は右肩上がりに上昇しています。
LINE査定のデメリット
LINE査定は手軽に時計の査定額を知れるサービスですが、その手軽さ故に査定額も暫定的なものしか提示されません。
写真による査定の場合、隅々まで状態を査定スタッフが見ることができないので、ザックリとした査定額が提示されます。
その為、LINEのみで査定が終了することは殆どなく、正式に時計を売る際には店舗に持ち込む必要があります。
また、対面で査定を受けたときに、価格が上下する可能性もあるので注意が必要です。
一般ユーザーと鑑定のプロでは時計を見るポイントが異なるため、キズだとは思わなかった箇所でマイナス査定されたり、写真では分からないブレスのヨレがあったりもします。
LINE査定を最大限生かすコツ
LINE査定を最大限生かすには幾つかのコツがあります。
最小限の労力で最大限の効果を得るために、是非心得ておきましょう!
写真は丁寧に撮影する
LINE査定は写真が情報源です。写真がブレていたり不鮮明であったりすると、曖昧な査定額しか出せなくなります。
全体がわかる写真は勿論必要ですが、キズの箇所や文字盤の色、刻印といった手持ちの時計の特徴を掴んだカットも同時に送ると、より正確な査定額を知ることができるでしょう。
尚、具体的な使用感を文章で記載しておいた方が査定スタッフが時計の状態をイメージしやすくなります。
詳細な写真数枚に添えて簡潔な状態の説明を添えておくと完璧です。
査定金額が一番高い店舗に持ち込むのが本当に良いの?
LINE査定を利用する際、複数の業者に査定依頼を出している方も多いでしょう。
その際に各店舗の対応についてもチェックしておいてください。
LINE査定に対する力の入れ具合は店舗によって異なりますが、力を入れている店舗ほど早く親身に答えてくれます。
ただ、一つ大きな注意点があります。
それは査定額を必要以上に高く見積もったり、即答で最終査定額を提示する業者には注意が必要だということです。
買取店のスタッフは査定依頼が来た際、とにかく来店まで促したいものです。そのため相場とはかけ離れた高額査定を提示し、来店させた後にいろいろと理由を付けて査定額を落とし、普通の査定額で買取をしようとする店舗が存在します。せっかく来店したのに、結局他のお店に持ち込んだ方が高額査定だったということは十分に考えられます。
お店選びは非常に重要ですので、単純に査定額だけを比較するのではなく、インターネットで口コミを調べるなどして信頼できる店舗に持ち込んだ方が、結果的に得をするでしょう。
まとめ
LINE査定は大よその査定額をスグに知ることできる便利な査定システムです。
写真を撮って送信するだけで複数の買取業者から査定額を得ることができます。
厳密な査定額は知ることはできませんが、買取の指標にはなるでしょう。
この記事を監修してくれた時計博士
新美 貴之(にいみ たかゆき)
- (一社)日本時計輸入協会認定 CWC ウォッチコーディネーター
- 高級時計専門店GINZA RASIN 販売部門 店舗営業部 部長
1975年生まれ・愛知県出身。大学卒業後、ロレックス専門店に入社。販売・仕入れに長年従事した。
その後、並行輸入商品の幅広い商品の取り扱いや正規代理店での責任者経験を経て、2017年にGINZA RASINに入社。
店舗運営や商品管理・メンテナンスを統括し、社員教育にも力を入れている。時計業界歴24年。